ワンちゃんもネコちゃんもまずはやっておきたいのが、クレートトレーニングです。クレートは、プラスチック製のハードタイプが頑丈でおすすめ。大型犬の場合は、キャリー付きが移動に便利です。
災害が起きた際、ペットも避難できる避難所では、ほとんどの場合ケージに入ることになります。避難所によっては、クレートに入っていれば飼い主さんのそばにいられることもあります。または、愛犬・愛猫だけ動物病院に預けることもあるかもしれません。いずれにしても、クレートに慣れておくことは、大変重要です。
「閉じ込めるみたいでかわいそう」と思うかもしれませんが、ワンちゃんはもともと体がすっぽりおさまる大きさの巣穴を掘って暮らしていた動物。サイズのあったクレートがあることでかえって落ち着きます。
ネコちゃんも狭いところが好き。クレートを寝床にすれば安心して過ごすことができるでしょう。外が見えない方が落ち着くのでバスタオルのような大きな布でクレートを覆うと、さらに効果的です。
好きな敷物を中に敷いて、大好きなおやつやフードを食べさせる、おもちゃを入れるなどで愛犬・愛猫ともクレートが好きになっていきます。つまり「いいことがあるよ」と教えてあげることがポイントです。しかし無理やり入れるのは禁物。ゆっくりゆっくり愛犬・愛猫のペースに合わせて練習しましょう。
クレートはしまわずに、愛犬・愛猫が過ごす部屋に置いておきます。日頃から寝床や休憩場所として使うようにしてください。
愛犬を呼ぶ時は、「○○ちゃん!ご飯だよ!」と名前を呼ぶことが多いのではないでしょうか?しかし万が一のときのために「おいで」で来る練習もしておきましょう。災害で飼い主さんとはぐれてしまったとき、ボランティアや知らない方が愛犬を保護してくれることがあるかもしれません。
その方たちは当然愛犬の名前がわかりません。そのため愛犬のことを「おいで」と呼ぶことが多くなります。「おいで」と呼ばれて来られるよう練習にしておくと、保護される確率が高くなります。おやつを利用して、家族以外のお友達や近所の人にも「おいで」の練習に協力してもらうのもおすすめです。お散歩仲間同士で、お互いに練習するのもいい方法ですね。
大きな地震などでは、ネコちゃんは狭い場所に隠れることが多くなります。突然の来客や、カミナリなどで隠れる癖のある愛猫は、どこに隠れるか確認しておきましょう。また愛猫が好んでよく入り込む場所も、チェックしておきます。
例えば押し入れだったら、愛猫が入るスペースを確保し、奥や上の方に行けないような工夫をしておきます。すると揺れが落ちついていざ避難するとき、すぐに愛猫を探し出して捕まえることができます。天井裏などに行ってしまうと探し出すのも大変ですよね。
一度入り込むとなかなか出てこない愛猫には、とっておきのおやつを用意しておきます。おやつにつられて出て来るよう練習しておきましょう。効果をあげるには、そのおやつを入り込んだ愛猫を出すときにしか使わないと徹底することです。
外にお出かけする習性のある愛猫は、災害はもちろん交通事故や病気など安全の面からも、今後は家で過ごすようにしておくと安心です。お家で愛猫が楽しんで過ごせるようにしておくのも、防災訓練の1つととらえましょう
お住まいの自治体に、ペットとの同行避難を受け入れるところがあるかどうか確認してみてください。避難所がわかったら、クレートに愛犬・愛猫を入れ、防災用具を持って歩いてみましょう。
その際チェックすることは
・出発まで準備にどのくらいかかるのか
・避難所まで歩いて何分かかるか
・途中、電柱やブロック塀など倒れる危険があるものがないか
・危険な場所があった場合、う回路はあるか
・クレートに入った愛犬・愛猫の様子はどうか
などです。真夏は熱中症の危険があります。もし練習するなら涼しい時間を選び、ペット用のひんやりマットなどを入れておきましょう。飲み水も忘れずに持って行ってくださいね。また、扉が開いて愛犬・愛猫が飛び出すなどのトラブルがないよう、十分注意してください。
大型犬は歩いて避難することが多いと思われます。散歩しながら避難所を確認するのもいいですね。一度行ったことがあれば、緊急時にいきなり初めて行くよりも落ち着いて行動ができるようになります。
災害はいつどこで生じるかわからないからこそ、日頃の練習が大切です。愛犬・愛猫のためのも、そして飼い主さんご自身のためにも、心がけておいてくださいね。