入院動物がいる場合は、診療開始前に状態のチェックや検査、処置を終わらせます。スタッフが何時に出勤するかは入院動物の状態次第です。状態が悪い動物がいる場合、泊まり込みで治療をすることもあります。今日は膵炎の犬の状態も落ち着いており、避妊手術をした猫の状態も安定していたため、院長は診療開始の1時間ほど前に病院に来ました。着替えをすませると、まずは避妊手術をした猫の処置に取りかかります。抗生物質を注射し傷口のチェックをします。それが終わると次は膵炎の犬の処置です。この子は1週間ほど入院しており、最初は吐き気がひどかったのですが、治療の効果で食欲も安定してきました。早番で出勤してきた看護士に保定してもらい、採血をして血液検査を行います。血液検査の数値も良好だったので、飼い主さんに連絡をして今日退院することが決まりました。処置が終わると院内の掃除、備品の在庫チェック、検査機械の動作確認を行い、その日に予定されている検査や手術についてスタッフと確認をします。今日の手術は犬の皮膚にできた腫瘍の切除手術が予定されているため、検査の内容や手術前後の流れについてスタッフと情報共有をします。
診療内容は様々で、ワクチン接種やフィラリア予防、ノミ・マダニ予防といった予防医療、定期健診、病気の治療などです。病気の内容は皮膚疾患、腫瘍、消化器疾患、泌尿器疾患、呼吸器疾患など多岐に渡ります。必要に応じて血液検査、レントゲン検査、顕微鏡検査、超音波検査、尿検査、糞便検査といった各種検査を行います。これらの検査は数分から數十分で結果が分かるため、飼い主さんにはお待ちいただき、そのまま結果と今後の方針をお伝えします。新規の患者さんには、今までの病歴を聞き取り、この病院の特徴や治療方針について少し時間をかけて説明をします。
また、その日に予定している薬浴や手術、抗がん剤治療をする方も午前中に来院していただきます。手術や抗がん剤治療は昼の休診時間に行うため、午前中のうちに必要な検査を行い、実施可能な状態かどうかを調べながら点滴をします。今日手術予定の犬は高齢で心臓病があるため、通常の検査に加えて心臓の超音波検査を行いました。
動物病院は動物の毛が落ちるため、こまめな清掃が必要になります。汚れがあった場合はその都度清掃しますが、午前と午後の診療時間後に全体的な清掃を行います。そしてその後に薬浴、手術、抗がん剤治療などを行います。1日に何件行うかは処置の内容やスタッフの人数によって変わります。今日の昼は皮膚の腫瘍切除のみです。麻酔前の処置を行い、いよいよ麻酔をかけて手術です。今回の手術は麻酔をかけてから意識が戻るまで全部で40分ほどでした。手術時間はその内容によって変わります。麻酔後も異常がないかを注意深く観察して、しっかりと意識が戻って動けるようになってから犬舎に戻します。昼の時間に行う処置が終わると、スタッフの昼休みになります。
午後の診療でも午前の診療と同じく、様々な症例が来院されます。午前中にお預かりして当日にお返しする場合は、午後の診療時間内にお迎えに来てもらい、そこで退院後の注意点について説明します。今日は昨日避妊手術をした猫、膵炎で入院していた犬、昼に皮膚の腫瘍を切除した犬がみんな退院です。退院後に問題が起きないように、何かあったらすぐに来院してもらえるように、退院後の注意点は丁寧に説明します。
何もなければ外来時間が終わると後片付けをして業務終了になりますが、今日は夕方に異物を食べてしまった犬が来院されました。検査の結果、内視鏡で異物を摘出することになりました。内視鏡をするには全身麻酔が必要になるため、麻酔前検査を行い点滴をして準備に取りかかります。
午後の診療時間が終わると、入院動物の状態チェックと院内の清掃を行います。そして翌日の検査や手術内容についての申し送りを行い、何もなければ業務終了になります。昼にできなかった手術がある場合は夜に行うことがあります。また、診療終了後に院内で勉強会を行うこともあります。
今日は後片付けをしてから内視鏡の処置に入ります。全身麻酔をかけて内視鏡を使って異物を摘出します。この処置は全部で30分ほどでした。手術と同様、麻酔がしっかり醒めてから犬舎に戻します。その後も数時間は異常がないかどうか、注意深く観察します。
動物病院は基本的に全科診療であるため、様々な症例が来院されます。なかには緊急手術が必要なものがあったり、交通事故などのエマージェンシーが運び込まれることもあります。そのため、スタッフは上手にオンとオフを切り替えながら業務に当たっています。外来がそんなに忙しそうではなくても、裏で入院動物の処置をしていることもあるため、待ち時間が少し長くなっても気長に待っていただければと思います。