動物病院が苦手になる理由
ワンちゃんネコちゃんたちは、なぜ動物病院が苦手になってしまうのでしょうか。
・待合室からすでに恐怖
ほかの飼い主さんの気配、ワンちゃんが吠えている声、ネコちゃんが鳴いている声を聞いただけで緊張する子もいます。嗅いだことのない、ほかの動物たちの匂いが漂っているのも原因です。
・クレートに慣れていないので、それだけで怖い
動物病院に行くときだけクレートに入る子は、クレートに入っているのもストレスです。ネコちゃんの場合、クレートを出しただけでどこかに逃げてしまうこともあります。
・痛い思いや怖い思いをした
注射や採血は人間でも怖いですよね。ワンちゃんもネコちゃんも当然怖がってしまいます。高い台に乗せられ、保定されたことで身動きが取れず、恐怖で興奮することもあります。
・飼い主さんが緊張している
「うちの子がまた吠えたらどうしよう」「おもらしするかも」など飼い主さんは心配になりますよね。このような飼い主さんの心配や緊張は、ダイレクトにワンちゃんネコちゃんに伝わります。そのため、ワンちゃんもネコちゃんも必要以上に緊張するのです。
「痛いよね」「かわいそう」「ごめんね」と切ない飼い主さんの声も、緊張に拍車をかけてしまいます。
・飼い主さんに叱られた
「ちゃんとしなさい」「静かにしなさい」など、動物病院に来るたび叱られると、動物病院が苦手になってしまいます。
このほか、ワンちゃんネコちゃんそれぞれの理由があるかもしれません。こうなったらもうあきらめるしかないのでしょうか？そんなことはありません。
動物病院を好きにさせる方法は？
苦手意識をなくしたり、好きにさせたりする方法はあります。動物病院好きに変えていきましょう。ワンちゃんネコちゃんを動物病院好きにしようと、いろいろと努力している動物病院もあるので相談してみましょう。
・おやつで気分転換
診察や治療に差しさわりがなければ「おやつ」を与えます。獣医師や看護師などスタッフの方にもお願いしてみましょう。獣医師や看護婦さんたちは、痛いことをするだけの人ではないと理解させるためです。ただし、ほかの患者さんに迷惑にならないように注意してください。
・ほめて遊んで気分転換
ちょっと痛い思いをしても、診察の最後は撫でたり、いい子だねとほめたりあげましょう。くれぐれも「かわいそうだったね」と言わないでください。特に、病気などでおやつを食べられない場合は、効果的です。
「ちょっと嫌なこともあったけれど、楽しい気持ちになった」となればしめたもの。動物病院によっては、スタッフの方がちょっと遊んでくれることもあります。その場合は、お任せしましょう。
・クレートに普段から慣れさせておく
クレートは、愛犬・愛猫にとって心が安らぐ自分だけのスペースになるようにしましょう。慣れておけば、クレートでの通院の苦痛も少なくなります。ネコちゃんの場合、外が見えないように布などをかけると落ち着きます。
中にはワンちゃんとネコちゃんが大好きな敷物をいつも敷いておきましょう。大好きなおやつもクレートで食べるようにします。クレートの中にいる、ワンちゃんやネコちゃんを叱らないのもポイントです。
・飼い主さんがどっしり構える
意識して堂々とふるまいましょう。笑顔でいることも忘れずに。落ち着いてどっしり構えた飼い主さんを見るたけで、愛犬・愛猫は落ち着きます。
・ネガティブな声掛けをしない
声はかけず、静かに見守ります。「ごめんね、痛いね」「かわいそうに」などネガティブな声掛けもやめましょう。慰めているようですが、不安げな声色の飼い主さんの声は逆効果です。もちろん「静かにしなさい！」「ダメでしょ！」など叱るのは絶対にやめましょう。
・ワンちゃんは散歩の時に寄ってみる
診察や治療がなくても、動物病院に散歩の途中寄ってみましょう。許可をとって、動物病院でおやつを食べさせるのもいい方法です。中に入らなくても、玄関先でおやつを食べさせてもいいでしょう。
・ネコちゃんは袋やバスタオルを活用
ネコちゃんは体をすっぽり包まれると安心します。診察の際は、洗濯ネットに入れたりバスタオルにくるんだりすると静かになります。洗濯ネットやバスタオルは普段から、ネコちゃんの過ごすスペースに置いておきましょう。ニオイが付いて安心するようになります。
子犬・子猫教室に入る
まだ子犬や子猫なら、動物病院が主催するパピークラスや、子猫クラスがあれば積極的に参加しましょう。動物病院によって多少異なるものの、動物病院好きにするカリキュラムが用意されていることがあります。待合室や診察室、獣医師や看護師さんに小さいときから慣れていれば、それほど苦痛になりません。
動物病院好きはいいことがいっぱい
ワンちゃんやネコちゃんが動物病院好きだと、ちょっとした異変でも受診するようになります。健康診断も受けやすいでしょう。その結果病気の早期発見や治療につながります。
動物病院が苦手なワンちゃんネコちゃんの飼い主さんは、かかりつけの動物病院に「動物病院を好きにしたい」と相談してみましょう。さらに、飼い主さんがリラックスすることを心がけてください。焦らず少しずつ進めていきましょう。
