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愛玩動物飼養管理士
松尾 猛之
テレビを見る猫、見ない猫。

技術の進化によって、猫たちもテレビを見やすくなった

テレビがブラウン管から液晶へと変わり、4K、8Kと、映像の技術はどんどん進んでいます。

画面が良くなれば、画面に映るものの動きもスムーズに見えるようになります。
昔のテレビ画面だと、猫たちには「ちらつき」が大きすぎて見づらかったのが、違和感なく見られるようになったことが、猫のテレビ視聴と関係しているようです。

もともとハンター(狩猟動物)として、動くものに対する反応や興味が強いとされる猫たちにとっても、テレビに映るいろんなものにリアルを感じる度合いは、より大きくなっていることでしょう。

画面液晶になってサイズが12:8の横長へと変わったことも、横に動くものを追いかける範囲が広がったという意味では、猫をひきつける要素になっているかもしれません。

猫からの支持が高い(と思われる)テレビ番組

家庭にいる猫たちは、どんな番組を好んで見ているのでしょうか。

当然ながら猫にチャンネル権はありませんが、画面に寄っていく光景が見られやすい番組には、「自分(猫)と同じにおいを感じるモノへの興味」「動くモノに対する反射的な行動意欲」といった特徴があるようです。


※動物が出てくる番組

猫はもちろんのこと、犬、鳥、魚、馬、パンダなど・・・
画面に出てきたら、猫たちは自然とテレビに吸い寄せられていきます。

かしこい猫になると、自分が好きなものが出てくる番組のことを覚えているようです。
オープニングのBGMが流れてきた瞬間に、テレビへ近づいていく様子なども見られるといいます。

家で飼われている動物よりも、野生動物が好きという猫もいれば、ライオンやゾウといった大きな動物は苦手という猫もいたり、動物の中でも好みはそれぞれあるようです。


※天気予報

見ているのは天気予報ですが、もちろん猫たちは、明日の天気が知りたくてテレビを見ているのではありません。

関心はただ1つ、気象キャスターが持っている「指し棒」です。

多くの場合、指し棒には丸いものがついていますね。それがおもちゃに見えるのか、獲物に見えるのか。指し棒が日本列島のあちこちへと動く様にあわせて、猫たちもそれを追いかけ、押さえつけようと画面にアタックする行動も、猫のテレビ視聴における「あるある」です。

上級者(猫)になると、特定のキャスターが持つ棒の動きにしか反応しないなど、指し棒へのこだわりも、だんだんと強くなるようです。


※スポーツ中継

スポーツについても、猫たちが興味を示すのは人間たちの動きよりも、手に持っているモノや、遠くへ飛んでいくモノに集まるようです。

野球やサッカー、ゴルフなどを見ていると、勢いよく飛んでいくボールに反応して、画面に寄っていく愛猫もいるのではないでしょうか。

面白いところでは、カーリングで使われるブラシの小刻みな動きや、新体操でくるくる回るリボンに、猫じゃらしの動きを感じて画面に飛びつく猫も、意外と多いそうです。

猫がテレビを好む「別の理由」

時には猫がテレビにかじりついている、ように見えて・・・
映像には一切興味がなく、画面の前でゆったりまどろんでいるだけ、という様子が見られることもあります。

テレビの画面を見る気がないのに、
近くでゴロ寝するのは好きだという猫がいるのは、なぜか。

一番に考えられるのは、テレビに近い場所の「熱」による温かさではないでしょうか。

テレビやDVDなどの機器から放出される熱は、人間が近くに寄っても温感の高さがわかるほどですが、この場所に、陽だまりのような快適さを覚える猫もいるようです。

テレビの前だと騒がしい場所になってしまうはずですが、気にせず目を閉じて画面の前に居座る様子を見ていると、猫にとっては、多少のうるささと引き換えにしても居心地の良い場所、なのかもしれません。

テレビを見ない猫の気持ちとしては・・・

一方で、テレビに関心がない猫の気持ちに寄り添うとすれば、どんな理由が考えられるでしょう。

静かな環境が好きな猫であれば、テレビという存在はその対極にあると感じて近寄らないかもしれません。普段からテレビに映るモノや、他の動物などにあまり興味がないという猫も少なくないでしょう。

また多頭飼いであれば、個体どうしの関係性にもよりますが、テレビは他の同居猫に譲って自分は他の場所で・・・という猫がいてもおかしくありません。

以前はテレビを見ていたのに、いつしか見なくなったというケースもあります。成長や加齢による嗜好の変化だけでなく、テレビに映るモノへの反応に飽きてしまったことも、理由として考えられるでしょう。

上記に関連しますが、猫によってはテレビを「テレビである」と認識している場合もあるなと感じます。

画面の中を動き回っていながら、触ることができないと分かって「これはウソだ」と理解する。ある意味これも、かしこい猫の行動かもしれません。

反対にリアリティを求めすぎて、画面から消えていった鳥などの生き物を追いかけるあまりに液晶を倒してしまったり、向こう側へ飛び越えてしまったり、という猫もいますが・・・

まとめ

愛猫のテレビに対する反応を眺めていると、微笑ましい様子もあれば、どんな気持ちで画面を見つめているのだろうと、深く考えてしまう時間もあります。

猫たちにとってテレビは、未知で不思議な世界に写っているかもしれません。
しかしその接し方、捉え方については、決して同一でないはずです。

画面を見ながら「これは何だろう?」と、個体それぞれに見えてくる反応の違い、そして好奇心の度合いを観察してみてはいかがでしょうか。

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