ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 会報誌「ウィズペティ倶楽部」 > 犬にも反抗期ってあるの?反抗期の時期や反抗期のときの行動は?
ペットトレーナー(ドッグトレーナー)
若林 亜希子
犬にも反抗期ってあるの?反抗期の時期や反抗期のときの行動は?

■犬にも反抗期がある?ない?

個体差はありますが、小型犬から大型犬まで大きさ犬種にかかわらず、どの犬でも反抗期は訪れる可能性があります。

今のところ研究結果として正式な発表はされていませんが、犬の医学や行動学などの専門家の間では、人間の思春期の子どもと同じように「言うことを聞かなくなる」「唸ることが増えた」などの反抗的な態度をとる時期があると言われています。

私たちだって、必ず全員に反抗期があるわけではないですよね。年齢もバラバラですし、反抗する表現方法もさまざまです。

穏やかなままの子もいますし、自分的には反抗しているつもりだとしても周りからはそう見えてなかったりして、はっきりと「反抗期があった!!」と親の立場では気づいていないだけの場合もあります。

愛犬にとっての親は、私たち飼い主ですよね。
犬が自分から「あのときは反抗期だったんだよ」「若かったから当たり散らしていたんだ」と教えてくれるときはないので、残念ながら正直確認することができません。

しかし、表現力が豊かな犬たちは、人間の反抗期に似たような態度を取る時期があると言えそうです。

■犬の反抗期っていつ頃?

成長スピードの違いがあるため、小型犬・中型犬・大型犬で少し差があるようです。また、犬種や性別、飼育環境によっても、反抗期の時期や反抗内容も少し変わってきます。

個体によって年齢も回数もかなり差がありますが、犬の反抗期は生涯で1~3回程度あるといわれています。


■第1次反抗期■
・生後6〜12カ月頃

性格が少しずつ落ち着いてきて、自我が目覚めてくる時期です。
さまざまなことに興味が増えるだけでなく、挑戦したり試してみたり、警戒心や恐怖心も備わってきます。

「遊んで」「ご飯食べたい」というような要求吠えをはじめ、家の前を通る人や外の物音、知らない人やはじめての犬への警戒吠えなどが始まります。


■第2次反抗期■
・1歳半前頃

身体がほぼできあがり成犬になります。生活環境にも慣れ、体力もあるのでできることが増えてきます。

伸び盛りといえるこの時期は、精神的にも成長していますが幼さも残っているため、今までしなかったイタズラや破壊行動がみられます。

自分の場所やモノなどの独占欲から、唸ったり噛んだり、嫌なことをされたときの抵抗も強くなることが多いです


■第3次反抗期■
・2〜5歳頃

身体的にも精神的にも、かなり落ち着きがでて成熟してくる時期です。

私たちの「思春期」と思うとわかりやすいですね。

飼い主さんのことや、いま置かれている状況なども理解できるようになってきます。

理解力が高まる時期でもありますが、自我もはっきりしてきて今までできていたことを急にやらなくなったり、よりワガママになってきたりすることも増えます。

外にでる機会も増えてきて、人や犬への好き嫌いもハッキリしてきます。その分、好きじゃないことや好きじゃない人に対しての吠えが強くなってきます。

■犬の反抗期はなぜおこる?

自我が目覚め、さまざまなことへの興味がわいてチャレンジ精神がでてくるからです。

飼い主さんの指示に従いながら、ニコニコと過ごしてきた犬も

「ん?なんでこんなことしているんだろう」
「どうして言うことを聞かなくちゃいけないの?」
「本当はこれ嫌いなんだよ」
「つまらない」
「ご飯食べたいよ」
「遊んでくれないと怒っちゃうぞ」

などと、今までの自分の行動に疑問を感じたり、気持ちを伝えたくなったりするんですね。

精神的な成長が早い犬ほど「自我の芽生えも早い=反抗期がはじまるのも早い」という傾向にあります。

■反抗期がでやすい犬種ってあるの?

基本的にはどの犬種でも反抗期は起こる可能性があります。

しかし、反抗的な行動が目立ちやすいといわれている犬種は

●ダックスやビーグルなどの狩猟犬
●トイプードル・チワワ・シーズー・ヨーキーなど愛玩犬全般
●柴犬やスピッツなどの原始的タイプ
●テリア種全般
●フレンチブルドッグやパグなどの破壊行動が出やすい犬種

です。

しかし、私は反抗期に限らず犬の問題行動は、犬種で分けられるものではないと思っています。

もともと、吠えることが仕事だった犬種もいますし、小型犬などはその小ささがゆえに自分を守るために必死なだけなときだってあります。

反抗期は全犬種にあるといえます。そして、犬種に限らず反抗期がこない犬もいます。

ここに書いてある犬種だから飼いづらい、なんて思わないで欲しいなと思います。

■こんなときは反抗期かも

反抗期かどうかがわかるのは、どんなときなのでしょうか?

わかりやすいのは「これまでできていたのに、急に言うことを聞かなくなった」「気に入らないときは、唸る!噛む!」と言うときです。

●呼んでもこない
●お座りや待てなどの指示に従わない
●近づくと唸る
●触ると唸る、噛む
●できていたトイレを失敗する
●近づいてくる犬や人に吠える
●子どもやお年寄りなどに強気な態度をとる

そのほかには、狩猟犬種なら走るものに反応する、吠える傾向の強い犬種は吠えるときが増えるなど、その犬種特有の本能的行動が強まる傾向にあります。

■反抗期も成長の証

反抗期といっても、心と身体のバランスがうまく保てないことが原因だったり「もっと構ってほしい」「遊んでほしい」「さびしい」という気持ちの表れだったりします。

さまざまな対処方法がありますが、もっとも有効な方法は身体的にも精神的にも疲れさせて満足させてあげることです。
ワガママをいうタイミングを作らせないという感じですね。

私たちも、振り返ればそれなりに反抗期や反抗期のようなものはあったのではないでしょうか。

愛犬とのコミュニケーションを見直したり、ときには信頼して見守ることも大切なことですよね。

反抗期のあいだは、愛犬への接しかたで悩むこともあるかもしれませんが、時期がくればいずれ落ちついていきます。

なにより【愛犬の成長の証】です。

成長を見守ることができる貴重な体験だと思って、写真や動画で想い出として記録しても楽しいと思います。
悩みすぎず「私たちも愛犬と共に一緒に成長しよう」って思えたら素敵ですね。


★飼い主の皆さんと大切なワンちゃんが、1日でも1分でも、長く一緒に過ごせますように★

ページ先頭へ