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ペットトレーナー(ドッグトレーナー)
若林 亜希子
愛犬が反抗的になった!犬の反抗期のときはこんな対処法で乗り切ろう

反抗期には「時期がある」

■第1次反抗期(生後6〜12カ月頃)

さまざまなことに興味が増えて、挑戦したり試してみたり、警戒心や恐怖心も備わって自我が目覚めてくる時期です。ちょうど子供たちが、なんでも「いやいや」といったり「なんで?」「どうして?」という質問をしてくるという時期ですね。


■第2次反抗期(1歳半前頃)

伸び盛りといえるこの時期は、精神的にも成長していますが幼さも残っているため、今までしなかった行動がみられます。大人のような子供のような、私たちが通ってきた「思春期」と思うとわかりやすいと思います。


■第3次反抗期(2〜5歳頃)

暮らしに慣れ、飼い主さんのことや状況なども理解できて、合わせられるようになります。
しかし、理解力が高まる時期でもありますが、自我もはっきりしてきて主張してくる時期でもあります。

社会の荒波に揉まれ、「意見を聞かなくてはならないけど、自分の意見もいいたい!」なんて感じるときに似ているかもしれませんね。

反抗期には「かみついてきても堂々と」

甘噛みや欲求噛み、咬みつくなど、反抗期に多くみられる問題行動は「かむ」行為です。

愛犬が咬みついてきたとき、驚いてしまったり怖いと思って、慌てて手を引っ込めてしまいますよね。

私たちが自然に取ってしまう行動ではありますが、この行動によって「気に入らないことがあれば噛めばいい」と思いこみ、さらに噛もうとすることが増えてしまいます。
「噛むことはダメなこと」という気持ちをしっかり持って、できるだけ堂々とした態度で愛犬に接しましょう。

また、噛む前の「唸る」という行為もありますが、この時点で叱ったりしてはいけません。

犬は「噛みつく気があるぞ」と表現しています。そんなときに「唸っちゃダメ」「なんで唸るの!」などと叱っても、犬は攻撃されていると感じてしまい、唸るどころか恐怖や反抗心から、咬みついてしまうかもしれません。

反抗期に起こりやすい、唸ったり噛むなどの問題を悪化させないためにも、叱ってやめさせようと考えるのではなく「咬みつくような状況を作らない」ことが大切です。

唸ったり噛んだりする原因がはっきりしているのであれば、それを回避できないかどうかも考えてみてください。

犬が咬む行動に出るのには理由があり、なにかに怖がっていたり痛みを感じていたり、不快や不満を表わしているということを理解してあげましょう。
とくに反抗期は気持ちが不安定です。怒ったりするのではなく、寄りそう気持ちのほうが大切です。

反抗期には「食べなくても普通に」

反抗期中は、ご飯を食べなくなることがよくあります。

食事のときに呼んでもこなかったり、食べたと思ったら食い散らかして終わるなど、今まで食事の時間が大好きだった子が急に食べものに興味を示さなくなるときがあります。

食事をとってくれないと、飼い主としては心配ですよね。

だからといって、おやつばかりあげたり好きなものばかりをあげてしまうと、今までのご飯を全く食べなくなるおそれがあります。

体調不良や病気の心配がないのであれば、ご飯を食べなかったら一度片付けてしまいましょう。
食べないからと言って食べるまで置きっぱなしにしている飼い主さんもいますが、いつでも食べられると勘違いしてしまったり、衛生的にもよくありません。

ご飯の量を減らしてみるのもひとつの方法です。お腹がすけば、自然に食べ始めることが多いです。
一回分の食事を抜いても、健康な犬であれば慌てる必要はありません。

我が家の場合ですが「運動したあと」に食事を出し直すと、勢いよく食べます。動くことによって、なにかが満たされて食べる気が起きるんだと思います。
日頃の運動が充分に足りているかどうかも、見直してみましょう。

また、愛犬がご飯食べないとき、好きな食べ物やおやつをあげる人も少なくないと思います。

もし、大好きな食べ物やおやつも食べない場合は、体調が悪いのかもしれません。ご飯もおやつも全く食べない状態が続くようであれば、かかりつけの病院で相談してください。

反抗期には「トイレは再びトレーニング」

反抗期は、今までしっかりできていたはずなのに、トイレを失敗することがあります。

「なんでこんなところにオシッコが」「ここにウンチが」と、今までしたことの無い場所にしたり、飼い主さんが困るところで排泄をするような行動がみられたら、再びトイレのトレーニングをしましょう。

「反抗期だから仕方がない」「反抗期が終われば戻るからいいや」と、なにも対応しないのはいけません。
反抗期であっても、しつけはできますよ。

第一反抗期なら、つい数か月前なんてこともありますが、第二反抗期や第三反抗期なら何年か経過していますよね。

もう一度はじめからトイレトレーニングをするのはとても大変ですが、仲良く暮らすためにも、決まった場所でトイレができるようにしっかりとトレーニングし直しましょう。

また、男の子で去勢手術をしていない子は、排泄の頻度も多くマーキング癖がついていることがあります。去勢を検討することも解決方法のひとつかもしれません。

反抗期には「無視も大切」

愛犬が「自分の要求は通る」と判断してしまうと、吠えたり唸ったり、噛むなどの行動がエスカレートします。

要求吠え(唸る・噛む)に対しては、無視する方法がもっとも有効です。

ここでいう「無視」は、寂しさを与えるということではなく「そんなことをしても無駄だよ」と教えてあげるという意味での無視です。

飼い主さんの気を引きたくて、わざとイタズラをしている場合があります。そんなときはイタズラの対象物をサッと片付けてしまったり、飼い主さん自身がその場から離れるなどして、冷静な態度で対応しましょう。

飼い主さんを試すような行動や、ただ面白くないという態度のときは、冷静に無視することも大切です。

反抗期には「お散歩ルートの見直しを」

今まで問題なくお散歩できていても、反抗期中は急にほかの犬や人に吠えるようになるときがあります。

そんなときは「なんで仲良くできないの」と叱るより、ほかの犬や人に会わないお散歩ルートを探してみてください。

反抗期は、飼い主さんの言うことを聞かないことが多いものです。そのような状況を前もって回避することも解決法です。新しいお散歩ルートを、愛犬がワクワクして受け入れてくれたら、それもいいと思いませんか?

「それだとほかの犬と会わないことで、今よりもっと犬や人と仲良くできなくなるのでは?」と思うひともいると思います。私自身がそうでした。

しかし、今の愛犬の状態に合わせてあげることを優先しましょう。

永遠にほかの犬や人と会わないなんて、そっちのほうが難しいことです。時期をみながら、改めてルートを変えたり、ドッグランに抱っこして入ったり、少しづつまた慣らしていきましょう。

また、犬とすれ違うときにご褒美をあげながらすれ違えば、飼い主さんに対する集中力が高まり、ほかの犬や人を気にせずにすれ違えるようになることもあります。

残念ながら私の愛犬は、トレーニング例で習った上記の方法は使えませんでした。
普段から食べ物への執着が少なく、お散歩中は食べものや飲みものに全く興味がないからです。

そんな場合にお勧めなのが「褒める」ことです。

まずは、飼い主としてシッカリ前後左右、犬や人がくるかどうかを気にしてお散歩します。「スマホ片手にただ歩く」なんて態度では、愛犬への危険は防げませんよ。

「前から犬がくるな」と思ったらサッと反対側に移動したり、愛犬を自分の足元に寄せて、通り過ぎる犬や人を見えなくしたりしましょう。犬は嗅覚がすぐれているので「犬が通り過ぎたことに気づかなかった」ということは殆どないのですが、見えなかったおかげで気にする態度が減り、吠えなくなりました。

そして、通り過ぎたらすぐに「偉いねー」「GOOD」などといい、ニコニコ笑って褒めました。
それを続けていたら「犬が通り過ぎたときに、静かにしていたら褒められた」と学習してくれて、今では自分から「こんにちは。クンクン」と、犬や人に寄っていきます。

もし、愛犬が反抗期で吠えてしまっている場合は「一過性」と思って、犬に会わない散歩道を探したり時間を変えたり、離れることで対処しましょう。

反抗期には「暴力は絶対ダメ」

「反抗期だから」「ワガママだから」といって、強く怒ることはお勧めできません。
反抗期をより悪化させることがあり逆効果です。

私たちも、思春期のときやイライラしているときなど、「みんなに理解してもらえなくてもいい。でも、好きな人にはわかってもらいたい」と思いませんか?
愛犬たちもきっと同じです。

反抗的な態度はとってみたものの、愛犬にとっての好きな人は、仲良しの犬やたまに撫でてくれる他人ではなく飼い主さんです。

そんな人に怒られ続けたら、寂しさや怒りに変わってしまうかもしれませんし、恐怖心を植えつけてしまうおそれがあります。

今までの信頼関係が一瞬で崩れてしまうようなことはやめましょう。

反抗期は「飼い主さんのレベルアップ期」

細かな対処法をご紹介しましたが、どんな態度に対しても共通することは

●過剰に反応しない
●ダメなものはダメという姿勢
●原因の見直し
●しかっり遊ぶ
●愛情深く見守る

飼い主さん側のルールをただ押しつけるだけでなく、家族の一員と言うことを忘れずに、遊ぶときには思いっきり一緒に遊び、褒めるときはたっぷり褒めてあげましょう。

反抗期の態度も時期もそれぞれ違います。
犬種によってはもともと持っている本能が強く出ただけの場合もありますし、性格的に神経質な子もいるので、その犬その犬に応じた対応が大切です。

悲しいことに、反抗期にうまく対応できず人を咬むなどの危険な状態になり、手放すことを考えてしまう飼い主さんもいます。もし、どうしても自分自身にもストレスがかかってしまったり悩んでしまうようなときは、ドッグトレーナーなどの専門家の力を借りるのもひとつです。

また、漢方やサプリメントを使って、愛犬のストレスを緩和できる場合もありますので、獣医師さんに相談するのもいいと思います。

反抗期中は愛犬への接しかたで悩むこともあるかもしれませんが、いずれ落ち着いていきます。
一生一緒に過ごす愛犬のために、反抗期のタイミングを「飼い主さんのレベルアップ期」ととらえて、一緒に悩んで一緒に遊んで、乗りきりましょう。


★飼い主の皆さんと大切なワンちゃんが、1日でも1分でも、長く一緒に過ごせますように★

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