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トリマー
坂本 はるか
犬の肉球ケアの方法!肉球の役割やトラブルについても解説

肉球の役割とは

肉球には、主に4つの重要な役割があります。

◆クッションの役割
肉球には、人間の靴と同じように、地面を歩くときのクッションの役割があります。肉球は、内側に弾力のある組織と柔らかい脂肪組織があり、外側は硬くなる角質層と呼ばれる組織からできています。この構造から、高所からジャンプしたり、走り回ったりするときに足にかかる衝撃を緩和することが可能です。

◆体温調整
犬の肉球は、体温を調整する働きがあります。肉球には汗を作るエックリン汗腺という器官があり、犬の身体の中で汗をかくことができるのは肉球のみです。肉球に汗をかくことで、体温が上がりすぎるのを防ぐ役割があります。

◆感覚器官としての役割
肉球には、人間の手と同じように、さまざまな感覚を知るために血管や神経が多く通っています。毛が生えていないため、地面の温度なども敏感に感じ取ることが可能です。また地面がボコボコしているのか、平らな道なのかという情報も肉球の感覚で把握しています。

◆ブレーキをかける
犬の肉球は、つるんとして滑らかに見えますが、実際触ってみるとでこぼことした感触があります。これは、肉球の一番外側の皮膚が「乳頭」と呼ばれる突起状の構造物におおわれているためです。この突起物のおかげで、走っているときでも、地面に摩擦が起こして止まることができ、ブレーキのような役割を果たします。

肉球ケアの方法

肉球は、常に清潔に保つ必要があります。特に、散歩後の肉球には、泥や砂、排せつ物などが付いている可能性があるので、清潔なタオルで拭きとるか、余裕があればシャワーなどで洗い流すことがおすすめです。洗い流した後、水分をそのままに放置すると雑菌の繁殖につながるため、すっかり水分を拭きとるようにしましょう。

また、肉球は走っているときのブレーキの役割をするため、被毛が肉球を覆っている場合は、小さなハサミやペット用のバリカンで肉球に被っている毛をカットするようにしましょう。

さらに、肉球の乾燥がひどく、ひび割れなどが入っている場合は、犬用の保湿クリームを塗るのをおすすめします。クリームを気にして、犬が舐めてしまう恐れがあるため、保湿クリームは必ず犬用を使用しましょう。保湿クリームを塗る際には、まず肉球をきれいな状態にしてから、厚塗りせずに、薄く伸ばすように塗ります。1日1回を目安に使用し、肉球の乾燥が気になるときは、ラップを使用してパックのように保湿するのもおすすめです。

肉球に関するトラブル

では、肉球のケアを怠ると、どのようなトラブルが起こるのでしょうか。ここでは肉球に起こるトラブルを3つ紹介します。

◆乾燥・あかぎれ
汗が分泌されるため、普段は乾燥することの少ない肉球ですが、乾燥する時期やシニアになると、肉球が乾燥し、あかぎれのようにひび割れを起こします。あかぎれになると、犬は痛みを感じ、執拗に肉球を舐めたり、足を地面につくのを嫌がったりする可能性があります。冬などの空気が乾燥する時期や、シニア犬は、定期的に肉球をチェックするようにしましょう。

◆指間炎(しかんえん)
指間炎とは、肉球の間に炎症が起こる病気です。肉球に汚れが溜まったまま放置することで細菌が繁殖し、炎症を起こすことがあります。また、肉球をシャワーなどで洗い流し、乾かさずに放置することで細菌が繁殖し、炎症を引き起こす恐れもあります。犬がいつもより肉球を気にしている様子が見られた場合、注意が必要です。

◆肉球の硬化
アスファルトやフローリングなど、毎日硬い地面を歩くと、犬の肉球はどんどん硬化します。肉球が硬化すると、ふわふわとした弾力が失われ、滑りやすくなります。特にフローリングは滑りやすく、関節のトラブルが起きたり、転倒し骨折したり、ヘルニアを引き起こしたりする恐れがあります。家がフローリングの場合、カーペットなどの敷物を敷くようにしましょう。また、散歩コースにアスファルトが多く、肉球への負担を減らしたい場合は、犬用の靴の使用を検討してみてはいかがでしょうか。

肉球は定期的にチェックしましょう

肉球には、「クッション」、「体温調整」、「感覚器官」、「ブレーキ」の4つの重要な役割があります。散歩などで刺激を受けやすいため、定期的なケアが必要になります。

肉球のケアには、肉球を清潔に保つことと、濡れたまま放置しないこと、乾燥が酷い場合は保湿クリームを塗ることが必要です。肉球ケアを正しく行えない場合は、あかぎれのようにひびが入り、指間炎などの病気を引き起こす恐れがあります。

特に、冬など空気が乾燥している時期と、シニア期に入った犬は、肉球にトラブルが起こりやすいと言われています。病気や、関節のトラブルを起こさないためにも、肉球に異常がないかチェックするようにしましょう。

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