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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

サイベリアンの特徴について

極寒の地で生まれた豊かな被毛の大型猫です。

サイベリアンの特徴は大きな体と長く豊かな被毛で、成猫は首の周りに襟巻のような襟毛を蓄えどっしりとした印象を与えます。
体の大きさは大型で、オスの方がやや大きくなる傾向があり、中には10kg近くになる個体もあります。

体は筋肉質でお腹の形は「樽のよう」と形容されることが多いですが、太っているわけではなくがっしりとしています。
四肢も中くらいの長さで骨太でしっかりしています。
頭部はやや大きめで丸みを帯びた楔形、マズルはやや短め、眼は大きく丸く、ゴールド、グリーン、カッパーなどの多様な目の色があります。

長めの被毛が全身を覆い尻尾の先までフサフサです。
冬には猫で唯一3重のトリプルコートになり、極寒の地シベリアで生き抜いてきただけあって寒さには強いですが、暑さには弱い猫です。
被毛の色や模様のパターンは多様で、ブラウン系のタビーが最も多くみられますが、ブラックやホワイトのソリッドタイプからバイカラー、キャリコやポインテッドなど様々なタイプが存在します。

他の大型猫と同様に成長はゆっくりで、完全に成長が止まるまでには5年ほどかかるともいわれています。

サイベリアンの性格について

おとなしくて優しく知性的です。

サイベリアンは知能が高く、しつけもよく覚えます。
しかしその賢さのためにドアを開ける方法を自分で学習して外に出たり、隠しておいたフードやおやつを見つけ出して持ってきたりと、いたずらもします。

全般的におだやかで優しい性格の猫が多く、人にも良く懐き社交的な猫です。
一方で大きな体ながら軽やかにジャンプし、遊ぶのも大好きな猫です。

サイベリアンの飼い方(日常の世話)について

ブラッシングやシャンプーをこまめにしてあげましょう。

サイベリアンのトリプルコートは、ガードヘアー、オーバーコート、アンダーコートの3種類からなっています。

ガードヘアーは外気を遮断するための撥水性のある長く太めの毛で、いちばん外側に出ている毛です。
その下にあるオーバーコートは皮脂分が多くしっとりしており、ガードヘアー同様に撥水性があります。
そのさらに内側にはフワフワとしたウール状のアンダーコートが密に生え、体温を閉じ込めて暖かさを保っています。

これらの毛はシベリアの極寒の地で自然環境に対応するために発達しましたが、室内飼育されるようになった現在では被毛が脂っぽくなりやすいため、シャンプーやこまめなブラッシングが欠かせません。

換毛期を迎えると冬毛から夏毛に生え変わり、少しすっきりとした印象になりますが、換毛中は特にブラッシングをこまめにしてあげましょう。

夏は暑さ対策が必要です。

サイベリアンは暑さにはあまり強くありません。
高温多湿な日本の夏では熱中症をおこしてしまうことがあるため、夏本番は室温管理をしっかりしてあげる必要があり、また必要に応じてサマーカットにするなど暑さに対する備えをしてあげましょう。

いたずら対策も必須です。

おとなしい性格の猫ですが、じっとしている時も飼い主さんの行動を見て、ドアや窓の開け方、おやつの隠し場所などを学習します。

口にしてはいけないもの、誤食の危険があるものは開けることができない容器に入れて管理するなど、いたずらに対する対策を講じましょう。

サイベリアンの歴史・起源について

極寒の地シベリアに古くから生息している猫種です。

サイベリアンの歴史は古く、1000年ほど前からシベリア地方に生息する猫として知られていた猫ですが、その起源ははっきりとはわかっていません。
俊敏な身体能力に注目され、農家などでネズミ捕りや番犬代わりとして飼育され活躍してきました。

1980年代ころからロシアのブリーダーに注目され、血統管理と品種開発が行われ、1990年にはアメリカにわたり、2000年にCFAで品種が認定されました。

サイベリアンの気を付けたい病気について

熱中症に要注意です。

寒さにはめっぽう強い猫ですが、その分夏の暑さには弱いところがあります。
夏になると毛が生え変わり、冬とは異なる少しすっきりした被毛になりますが、それでも油断はできません。

熱中症になると、高体温や脱水、虚脱状態となり、重症の場合には多臓器不全を起こし命にかかわります。
長時間のお留守番中に発症してしまうと発見が遅れ、深刻な状況になってしまっていることもあります。

真夏には室温の管理をしっかりと行い、場合によってはサマーカットにする、熱中症対策グッズ(ひんやりマットなど)を活用して、熱中症にならないようにしましょう。

毛球症にも対策をとりましょう。

毛球症は飲み込んでしまった被毛が消化管内で塊になり、消化管の通過障害を起こす病気です。
サイベリアンは長毛種の中でも毛が長い方で、しかも毛の量が多いため、毛づくろいで被毛を飲み込んでしまうことも多く、毛球症には注意が必要です。

対策としてはこまめにブラッシングしてあげる、毛球症に対応したフードを食べさせる、毛球症を予防する潤滑剤などを定期的になめさせるなどという方法があります。

ピルビン酸キナーゼ欠損症が起こることがあります。

ピルビン酸キナーゼとは、体の中でエネルギーを作る時に必要な酵素の一つです。
この酵素が生まれつき欠損してしまうことがあり、その個体は血液中の赤血球の寿命が短くなってしまうために、若い内から慢性的に貧血を繰り返します。
サイベリアンはこの病気の好発品種に含まれます。

この病気は遺伝性に発症することが分かっており、発症してしまうと根治することはできません。
貧血が重度になった場合に輸血を行うなど、対症療法を行いますが、一般的に他の健康な猫に比べると寿命は短くなってしまいます。

この病気には遺伝子検査がありますので、繁殖を考える際には検査を行い、陽性の場合には子孫に病気の遺伝子を継承させないためにも交配は控えましょう。

サイベリアンの価格相場について

価格には大きく幅があります。

子猫の月齢やどこで購入するかによっても変わりますが、サイベリアンの価格は15万~50万前後と非常に広い幅があり、特に血統の良いサイベリアンでは100万円前後の価格がついていることもあります。

価格の幅はブリーダーで購入する場合に大きく、ペットショップでは20万円~30万円台での販売が多くみられます。

獣医師から見たサイベリアンを飼う際のアドバイス

ゆっくりとした成長に対応したフードを与えましょう。

サイベリアンの成長は非常にゆっくりで、成長が完全に止まるまでには5年ほどかかるとされています。

もともと骨太で筋肉質な体の猫ですので、成長期には成長に必要なタンパク質が十分摂取できるように、高タンパクの食事を与えるようにしましょう。

大きな体でも十分運動できる環境を作りましょう。

サイベリアンは大型の猫ですが、厳しい自然環境の中で狩りをして生き抜いてきた猫ですので、動きは俊敏で軽やかにジャンプし、遊ぶのも大好きです。

狭い室内では運動不足から肥満にもなりやすいため、できれば広い運動スペースを確保してあげ、上下運動できるようにキャットタワーを設置したり家具の配置を工夫するとよいでしょう。
サイベリアンは大きい猫では10kgにもなりますので、キャットタワーは天井に固定できるタイプなど強度のしっかりしたものを選んであげましょう。

健康診断を定期的に受けましょう。

サイベリアンはいつくかの遺伝性の病気が起こることが知られています。
上にあげたピルビン酸キナーゼ欠損症以外にも、肥大型心筋症や多発性嚢胞腎症などの発生もみられることがあります。

遺伝性の疾患は発症を防ぐ方法はありませんが、早期発見し、適切に対処することで寿命の長さが大きく変わりますので、若い内からでも健康診断を受けるようにしましょう。

また遺伝病の中には遺伝子検査が行われている病気もありますので、心配な場合は一度検査を受けてみると良いでしょう。

サイベリアンの飼育チャートについて

性格は穏やかで賢いため飼育もしやすい猫です。
被毛の手入れは少し手をかけてあげる必要があり、また大きな体を十分に運動させてあげるために環境づくりや遊び相手として時間を比較的確保できる方に向いています。

初心者  7 初心者でもかなり飼いやすい
しつけ  10 しつけは非常に簡単
お手入れ  3 お手入れはやや難しい
気性  9 気性は非常に穏やか
多頭飼育  7 多頭飼育はややし易い
運動量  2 運動量はやや多い
病気  7 病気にはかなり強い
抜け毛  1 抜け毛が非常に多い
鳴き方  5 普通程度に鳴く
におい  7 あまり臭いがない
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