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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の線維肉腫とは

皮膚や口腔内で見られることが多い悪性腫瘍です。

線維肉腫は線維組織由来の悪性腫瘍です。表皮、皮下組織、口腔内で一般的に見られますが、どの組織でも発生する可能性があります。局所の浸潤性が強く切除後の再発率が高いものの、転移率は比較的低いという特徴を持ちます。

中高齢の犬でよく見られ、犬の口腔内の腫瘍としては、悪性黒色腫、扁平上皮癌に次いで多く発生します。
皮膚の線維肉腫は皮下組織または真皮の線維芽細胞に由来する悪性腫瘍で、軟部組織肉腫と呼ばれる疾患群に含まれます。

犬の線維肉腫の症状とは

口腔内の線維肉腫

臨床症状としましては、初期は特異的な症状は無く、口腔内の腫瘤の発現や口腔内の出血に気付くことが多いです。口蓋や歯肉に、通常ピンク色の肉様で比較的硬く固着性の腫瘤塊として発生します。比較的大きな腫瘤を形成し、表面は平坦である場合が多く、口腔内に認められた時点で既に軟部組織および骨まで深く浸潤しているとされています。
口腔内に発生する線維肉腫は、腫瘤を形成せず硬口蓋に平坦な表面もしくは潰瘍を伴う腫瘤として発生することがあります。

皮膚の線維肉腫

強い浸潤性を反映して、境界不明瞭な結節として発見されることが多く、しばしば深部固着をともなって大型化します。

犬の線維肉腫の原因とは

線維芽細胞の腫瘍です。

線維肉腫は線維芽細胞由来の悪性腫瘍ですが、発生の原因はわかっていません。

犬の線維肉腫の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

口腔内の線維肉腫は、特にゴールデンレトリバーで多く見られます。大型犬種には線維肉腫発生しやすい傾向があるため、注意が必要です。

犬の線維肉腫の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

予防方法は無く、他の腫瘍に比べて早期発見が難しい腫瘍と言われています。特にゴールデンレトリバーは、口蓋や下顎を定期的に健診し、早期発見、早期治療をおこないます。

犬の線維肉腫の治療方法について

口腔内の線維肉腫

外科的切除が第一選択ではありますが、浸潤性が高く、切除マージンが決めにくいため、外科的切除による完治は難しいとされています。また、化学療法の単独での完治も期待できません。広い範囲での外科的切除と化学療法を併用し、経過が良好との報告があります。また、現在は外科的切除と放射線療法の併用が比較的良好な反応が得られるとされています。
口腔内に発生した繊維肉腫は、浸潤性が強いため、外科的切除をおこなっても寛解させることが難しく、予後はあまり良くありません。線維肉腫のリンパ節や肺への転移率は20~30%程度と低いとされていますが、再発率が高く、予後は局所再発の抑制にかかっています。

皮膚の線維肉腫

転移の確認されていない単発の線維肉腫に対する根治療法として第一に考慮すべきは広範囲の外科的切除になります。水平マージンは2~3cm、深部マージンは筋膜または筋肉をバリアとして切除します。四肢や尾に発生した場合は、切断術によってのみ完全切除が可能となる場合もあります。広範囲の切除が難しい場合は、術前もしくは術後の放射線療法の併用を検討します。
外科的切除や放射線療法で徹底的な局所抑制が出来れば予後は良好であり、根治を狙うこともできます。予後因子としましては、腫瘍の組織学的なグレード、遠隔転移の有無、外科的切除時の切除の完全性、などが挙げられます。

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