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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の前立腺炎とは

細菌感染が原因となる前立腺の炎症です。

前立腺は細菌感染によって認められる前立腺の炎症です。一般的に去勢手術を受けていない雄犬に見られる疾患です。雄性ホルモンが発症の誘因因子になるとされています。

犬の前立腺炎の症状とは

下部尿路疾患で認められる症状が見られます。

一般的に多い臨床症状としましては、血尿、膿尿、排尿痛、排尿困難などの下部尿路疾患で認められる症状が見られます。その他に、前立腺腫大を伴っている場合には、排便困難、しぶりなどが認められることがあります。
急性前立腺炎やより重篤な前立腺膿瘍の場合には、全身的な一般状態の低下や発熱なども認められます。一方で、慢性前立腺炎の場合にはこれらの徴候は認められません。

身体検査では直腸からの前立腺の触診により、前立腺の腫大や疼痛を認めることがあります。X線検査でも前立腺の腫大を認めることがあります。ただし、良性前立腺肥大、前立腺膿瘍などでも同様の所見が得られるため鑑別が必要になります。

 

 

犬の前立腺炎の原因とは

尿道を介した上行性感染が原因になります。

雄性ホルモン(アンドロジェン)が発生誘因因子と考えられていますが、発生機序は、尿路感染症と同様に尿道を介した細菌の上行性感染が主体とされています。

特段の基礎疾患が無く生じることもあれば、良性前立腺肥大、前立腺上皮化生、前立腺膿瘍といった前立腺疾患を基礎疾患として生じる場合や、尿路疾患に併発して二次的に生じることがあります。それらは前立腺炎の治療や予後にかかわる可能性があります。

前立腺炎の原因菌は、おおむね尿路感染症と同様であるとされています。最も多いのは大腸菌であり、その他にKlebsiella属菌などの腸内細菌科細菌、ブドウ球菌、レンサ球菌といったグラム陽性球菌も原因菌として分離されます。また、前立腺炎症例の70%は単一の菌株によるものであり、混合感染は少ないとされています。
前立腺炎の原因菌の多くは尿中にも排泄されますが、尿道中の常在菌との鑑別のためにも、可能な限り射精または前立腺マッサージにより前立腺液を採取し、その細胞診の実施が推奨されています。

犬の前立腺炎の好発品種について

全犬種で好発します。

前立腺炎は、未去勢の雄犬で見られます。

犬の前立腺炎の予防方法について

去勢手術を受ける

前立腺炎の最も有効な予防方法は、去勢手術を受けることです。去勢手術を受けている雄犬は、前立腺炎にかかることはありません。

 

 

犬の前立腺炎の治療方法について

急性前立腺炎

前立腺炎は、急性の慢性で治療法が異なります。

急性前立腺炎では、発熱、食欲不振などの全身症状が認められることもあるため、積極的かつ速やかな治療が必要になります。急性前立腺炎では、抗菌薬が前立腺に到達するための血液ー前立腺関門は破壊されていると言われているため、抗菌薬はほぼすべての系統が適応が可能とされています。

抗菌薬治療は臨床症状が消失し、前立腺の形態が正常化するまで継続することが推奨されています。投薬終了まで3週間以上要することもあります。

抗菌薬治療以外の支持療法として、電解質溶液の輸液や抗炎症剤の投与をおこなう場合もあります。

慢性前立腺炎

慢性前立腺炎においても抗菌薬治療が原則となりますが、急性前立腺炎と大きく異なる点は血液ー前立腺関門の存在です。慢性前立腺炎では血液ー前立腺関門が修復されているため、使用できない抗菌薬があります。

慢性前立腺炎では、急性前立腺炎よりも長期の抗菌薬治療が必要とされており、4~5週間が目安とされています。

さらに、前立腺炎発症にはアンドロジェンの分泌が関与していると言われているため、慢性前立腺炎の治療の一環として、抗アンドロジェン療法もおこなわれます。
また、一般状態が良好で繁殖が目的とした犬でなければ、去勢手術が最も効果的であるとされています。

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