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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の回虫症とは

最も多く見られる消化管内寄生虫であり、人獣共通感染症です。

犬回虫は最も診断する機会の多い消化管内寄生虫であり、猫には寄生しません。犬回虫は人間との関連性が危惧され、幼児に見られる内臓幼虫移行症の原因となっていることから、犬には犬回虫が潜在している可能性があることを考慮する必要があります。
犬回虫の成虫は、9~18cm程度の黄白色の細長い虫です。虫卵の大きさは72~85μm程度になります。

犬の回虫症の症状とは

無症状であることが多く、症状が見られる時は消化器症状が見られます。

犬回虫症は主に仔犬に見られますが、通常量の感染ではほとんどが無症状となります。胎生期に重度感染がある場合は死亡することがあり、新生児期では胃腸内の虫体成長に起因する嘔吐や下痢症状から低栄養状態となり、二次感染を併発することが多いです。

仔犬に見られる主な症状は、低栄養状態、腹部膨満、下痢、貧血です。成虫の多数寄生例では腸閉塞、胆管への侵入、胃壁や腸壁の穿孔が見られることがあります。

移行幼虫による病害として、まれに中枢神経への迷入による痙攣発作があります。潜在していえる移行幼虫による症状は通常見られませんが、重度感染の場合には全身組織に分布し、脳も網膜にも潜在病変が見られる可能性もあります。

 

 

犬の回虫症の原因とは

回虫の感染が原因となります。

犬回虫の重要な感染ルートは2つあります。

犬回虫を保有している雌犬が妊娠した場合、妊娠後期になると一部の被嚢幼虫が活性化して胎盤感染が起こります。胎盤感染した幼虫は胎児の肝臓に集まり、出産後の約1週間は肺に留まります。その後は気管移行幼虫の経路をたどり小腸に達します。そして3週齢以後には仔犬の糞便中に犬回虫卵が排出されるようになります。

母犬が保有する幼虫が初乳により授乳中の仔犬へ感染します。経乳感染した幼虫は体内移行することなく、消化管内で成虫まで発育します。そのため、母犬から仔犬への感染が一般的な感染ルートであること、出産させる予定のある雌犬では妊娠前に回虫駆除を実施しておくおとが重要であると言えます。

また、多くの犬が排便した可能性のある公園などの砂場や庭の土壌では、回虫卵が潜在することがあるので、避けた方が良いでしょう。

犬の回虫症の好発品種について

全犬種で好発します。

成犬より6カ月以下の仔犬でよくみられます。

犬の回虫症の予防方法について

経口感染の予防、駆虫薬の定期的な投与をおこないます。

回虫は感染犬の糞便から感染するため、散歩や犬の集まるドッグランなどに行った際は、他の犬の糞便に接触させないようにしましょう。また、回虫に感染している可能性がある犬の糞便があった場合は、グローブを装着して速やかに処理しましょう。

最近では、犬糸状虫症予防薬と消化管内寄生虫およびノミ・マダニなどの外部寄生虫駆虫薬が合剤になったものが市販されてきています。月1回、犬糸状虫症予防薬を投与することが結果的に回虫症予防につながると言えます。

 

 

犬の回虫症の治療方法について

駆虫薬の投与をおこないます。

古くからピペラジン系駆虫薬による駆虫治療がおこなわれてきましたが、イベルメクチン製剤が犬糸状虫症予防に用いられるようになってきてからは、犬回虫駆虫のためにイベルメクチン製剤が使用されるようになってきました。

虫卵内へは薬剤が浸透しないことを考慮すると、3週以上空けて2回以上の駆虫薬の追加投与をおこなう必要があります。
また、犬回虫は薬剤抵抗性が比較的強いため、一度の駆虫剤投与では完全駆虫に至らないことがあります。

定期的な虫卵検査と予防薬投与を実施することで、成犬での回虫の保有率を低下させることができます。また、症状のある犬でも、駆虫治療後の予後は良好です。

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