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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の膀胱炎とは

犬で多い疾患のひとつであり、膀胱内で炎症が起こります。

何らかの原因により膀胱に炎症が発生している状態を言います。この原因は感染症、尿石症、内分泌不全、免疫障害など多岐にわたります。膀胱炎の犬では赤褐色や腐敗臭のする尿、頻尿、排尿痛などの症状がみられます。

膀胱炎は犬でよくみられる疾患であり、1~2割もの犬が一生で一度は罹患するという研究があります。また、細菌が含まれた尿(本来尿は無菌、膀胱炎を示唆している)は3割近くの犬でみられると言われており、細菌性膀胱炎の発生率の高さを推測できます。

膀胱炎の原因により治療への反応性は違いますが、細菌性膀胱炎については適切な治療が行われた場合、比較的良好な経過を辿ります。

犬の膀胱炎の症状とは

血尿や頻尿、排尿時の痛みなどがみられます。

量が少ない頻回の尿や、排尿時の痛みがみられます。膀胱の炎症で出血が起きているため、尿の色が赤褐色に変化します。この尿は膀胱炎の場合、尿全体あるいは排尿の最後に見られますが、尿道炎の場合は排尿の最初に見られます。また、細菌性の膀胱炎の場合、膿や凝固物が含まれた腐敗臭のする尿がみられることがあります。

犬の膀胱炎の原因とは

主に細菌感染が原因になります。

細菌性膀胱炎では、外部環境から尿道を通り膀胱まで細菌が侵入することで感染が成立します(上行性感染といいます)。本来尿は無菌であり、細菌性膀胱炎では細菌尿がみられるのはこのためです。泌尿器には細菌感染を防ぐ機能があり、それが乱れたときに細菌性膀胱炎はおこります。排尿による洗浄、膀胱粘膜に存在する免疫機構、尿自体のもつ抗菌作用などが担います。

細菌性膀胱炎の原因となる泌尿器の防御機構の破綻は、膀胱結石や腫瘍による尿排出障害や粘膜の損傷、椎間板ヘルニアなどの神経疾患による排尿困難、夏場の水分不足などによる尿量の不足や、糖尿病による尿の性状変化、先天性または後天性の免疫不全などにより起こります。

細菌性膀胱炎の病原菌はスタフィロコッカスやストレプトコッカスなどのグラム陽性菌や、大腸菌や緑膿菌の一種、プロテウスなどのグラム陰性菌など多種多様にわたります。このことは治療に用いる抗生物質を適切に選択し、かつ適切に使用しなければ十分な効果が得られないことを表しています(細菌により効果がある抗生物質は異なるため)。

犬の膀胱炎の好発品種について

全犬種で好発します。

膀胱炎はあらゆる犬種で見られる疾患です。

犬の膀胱炎の予防方法について

泌尿器のケアをおこないます。

明確な予防法はありませんが、無理ない範囲で水をたくさん飲ませ、膀胱を洗浄する尿の産生を増やす、またおやつを上げ過ぎないことで膀胱結石の形成を防ぐことを心がけましょう。

犬の膀胱炎の治療方法について

細菌感染に対する内科的治療を行います。

感染している細菌に対する抗生物質の投与と、泌尿器の防御機構の破綻の原因に対する治療を行います。抗生物質は効果がある細菌種の範囲があり、また近年耐性菌とよばれる本来効果のある抗生物質に対して抵抗性をもつ細菌が出現しています。効果的な治療のため、膀胱から採取した細菌を培養し、効果のある抗生物質を確認してから抗生物質を投与していくことが理想的です。

しかし、細菌培養は費用と時間がかかるため、飼い主さんの負担になる場合があります。動物病院によっては抗生物質の種類をリレーのように変更し、効果のあるものを特定することがあります。

細菌培養を行うことがベストではありますが、臨床現場で働いている獣医師によって考えは異なります。かかりつけの獣医師とよく相談し、治療方針を確認するといいでしょう。

細菌性膀胱炎の治療に重要な点が2つあり、獣医師に指示された抗生物質の投与を必ず守ること、動物病院での短期的な治療が上手にいかないからといって頻繁に転院しないことです。前者を守らないと耐性菌が出現し、膀胱炎の治療が困難になるばかりか、その耐性菌が原因になる肺炎などの病気に対して成すすべがなくなってしまう可能性があります。後者はかかりつけ医の治療方針をよく理解した上で転院を行わないと、転院による抗生物質の頻繁な変更が原因となる耐性菌の出現の一旦を担うことになります。

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