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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のブドウ膜炎とは

ぶどう膜に起こった炎症です。

ぶどう膜とは、光彩、毛様体、脈絡膜の3つをまとめたものを言います。
ぶどう膜炎の多くは、光彩および毛様体を中心とした前部ぶどう膜炎ですが、脈絡膜に炎症の起こった後部ぶどう膜炎、前部および後部の両方に炎症の起こった汎ぶどう膜炎も発生します。

犬のブドウ膜炎の症状とは

前部ぶどう膜炎

前部ぶどう膜炎では、羞明や流涙、眼脂、眼瞼痙攣などの眼の疼痛に由来する症状、毛様充血や縮瞳、角膜浮腫などの眼内の炎症性サイトカインやプロスタグランジンの産生増加に起因する症状が認められます。炎症を起こした虹彩には色調の変化や光沢の消失、虹彩裏面の反転、虹彩血管の怒張や血管新生が観察されます。

慢性化したぶどう膜炎では、虹彩後癒着や前癒着、続発性白内障が発生します。

眼圧は一般的には低下していますが、慢性化すると眼圧は必ずしも低下せず、眼圧上昇が見られることもあります。

後部ぶどう膜炎

後部ぶどう膜炎では、脈絡膜血管~網膜色素上皮層に存在する血液網膜関門が破綻し、網膜下あるいは網膜内への滲出が起こるため、網膜浮腫や網膜剥離が発生します。
滲出が軽度の場合にはタペタムの反射光は低下して、眼底は暗調に観察されます。重度の場合には網膜がドーム状に隆起して、胞状網膜剥離と呼ばれる病態が観察され、視覚は重度に障害されます。ぶどう膜炎による視覚障害は一般的であり、中間透光体の混濁や瞳孔の閉塞、白内障、緑内障、網膜剥離など、原因は様々です。

犬のブドウ膜炎の原因とは

原因は多岐に渡ります。

ぶどう膜炎の原因は多岐に渡るため、ぶどう膜炎を発症している場合には必ず全身の検査を実施する必要があります。原因解明ができないこともありますが、少なくとも感染性か非感染性かの鑑別は必須と言えます。

感染性の原因としましては、細菌(レプトスピラ、バルトネラ、ブルセラなど)、真菌(ブラストミセス、ヒストプラズマ、コクシジオイデス、クリプトコッカスなど)、ウイルス(狂犬病ウイルス、犬アデノウイルス、犬ジステンパーウイルスなど)、寄生虫(犬糸状虫、犬回虫など)、が挙げられます。

非感染性の原因としましては、外傷性、腫瘍性(リンパ腫、メラノーマ、組織球性腫瘍、眼内腫瘍など)、代謝性(糖尿病、体高血圧症、高脂血症、血液凝固障害など)、免疫介在性(水晶体原性、免疫介在性血小板減少症、ぶどう膜皮膚症候群など)、中毒性(ピロカルピン、サルファ剤、エンドトキシン血症など)、反射性(角膜潰瘍、上胸膜炎など)、特発性、が挙げられます。

 

 

犬のブドウ膜炎の好発品種について

全犬種で好発します。

ぶどう膜炎の原因は多岐に渡るため、どの犬種でも起こり得ると言えます。

ぶどう膜炎の原因となる疾患にかかりやすい犬種は注意が必要です。免疫介在性血小板減少症の好発犬種とされるシーズー、トイプードル、マルチーズや、高脂血症の好発犬種とされるミニチュアシュナウザーは注意しましょう。

犬のブドウ膜炎の予防方法について

原因疾患の早期発見・早期治療をおこないます。

ぶどう膜炎を引き起こす原因疾患の早期発見、早期治療をおこなうことがぶどう膜炎の予防につながると言えます。

犬のブドウ膜炎の治療方法について

炎症の沈静化、合併症の予防と治療、原因疾患の管理をおこないます。

ぶどう膜炎の内科療法の柱となるのが消炎剤による治療になります。最も有効性の高い消炎剤として使用されるのがコルチコステロイドになります。ただし、コルチコステロイドは感染症を悪化させる可能性があるため、感染症が疑われる場合は注意が必要です。
点眼治療が奏効しない場合は、コルチコステロイド全身投与の併用を検討します。

ぶどう膜炎の合併症で最も恐ろしいものが緑内障ですが、重症度に見合った治療を速やかに開始し、十分な期間に渡って消炎治療をおこなうことで緑内障の続発を予防できることが多いとされています。

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