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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の内耳炎とは

内耳で炎症が起こる疾患です。

内耳とは、中耳よりさらに奥にあり、蝸牛、前庭、三半規管などで構成され、聴覚や平衡感覚をつかさどります。中耳炎における炎症が内耳まで波及してしまい、内耳炎が発症します。

犬の内耳炎の症状とは

斜頸、眼振、運動失調などが見られます。

内耳炎の臨床症状としましては、罹患した耳の側への斜頸、眼振、非対称性の運動失調などが見られます。
急性期には方向感覚を失い、罹患側に向かって旋回して倒れてしまいます。さらに、協調運動と平衡感覚が侵され、立ったり歩いたり出来なくなることもあります。他にも、嘔吐や食欲不振が見られることもあります。

内耳炎で見られる症状は、特発性の前庭疾患、腫瘍、などでも見られるため鑑別が必要です。

ホルネル症候群

ホルネル症候群とは、視床下部、頚部、眼球に至る交感神経系に異常をもたらす炎症、感染、外傷、椎間板疾患、腫瘍、中耳炎、内耳炎などが原因で引き起こされる疾患です。眼球とその附属器の交感神経支配が麻痺することによって引き起こされ、瞬膜の突出、縮瞳、眼瞼下垂、眼球陥没といった一連の異常のことを言います。

通常は片側性に症状が見られ、症状が見られる側の耳の温度が上昇したり、発汗が見られることもあります。

犬の内耳炎の原因とは

中耳炎が原因となります。

内耳炎、中耳炎、外耳炎の間には関連があり、内耳炎の原因で最も多いのは中耳炎の波及です。

中耳炎は一般的に細菌感染であり、その多くが外耳炎の続発性疾患として引き起こされます。鼓膜の上皮やコラーゲンが壊死することで、外耳炎で生じた滲出液や炎症性産物が脆弱になり、そこから鼓膜の穿孔を引き起こします。鼓膜が喪失することで耳垢、被毛、微生物などにより中耳粘膜が刺激され、炎症が引き起こされます。一部、滲出性中耳炎、真珠腫性中耳炎、炎症性ポリープなど感染以外の原因による中耳炎を認めることもあります。

外耳炎の原因はアレルギー性疾患と関連していると考えられています。多くの場合は、皮膚炎と外耳炎が同時に発症しています。アレルギー性疾患以外の原因としましては、細菌感染、マラセチアの増殖、寄生虫、異物、腫瘤、角化異常、内分泌性疾患、自己免疫性疾患などが挙げられます。

犬の内耳炎の好発品種について

全犬種で好発します。

内耳炎はどの犬種でも起こり得る疾患ですが、中耳炎、外耳炎から続発するため、外耳炎の好発犬種は注意が必要です。

外耳炎は垂れ耳犬種、外耳道に毛が生える犬種、アレルギー性疾患などの慢性皮膚疾患の好発犬種でよく見られます。アメリカンコッカースパニエル、キャバリアキングチャールズスパニエル、シーズー、柴犬、ドイプードル、マルチーズ、ミニチュアシュナウザー、ミニチュアダックスフンド、ヨークシャーテリアなどは注意が必要です。

犬の内耳炎の予防方法について

原因疾患の早期発見、治療をおこないます。

中耳炎、外耳炎が原因となるため、外耳炎の早期発見、早期治療が重要となります。また、外耳炎の予防として定期的な耳のケアをおこなうと良いでしょう。

犬の内耳炎の治療方法について

抗生物質の投与をおこないます。

抗生物質の長期的な投与をおこないます。外耳炎の治療で抗生物質を長期間使っていた場合は、細菌培養検査、薬剤感受性試験をおこなうことが推奨されています。通常6~8週間程度で改善が見られることが多いですが、改善が見られない場合は、CT検査やMRI検査を検討する必要があります。

また、抗生物質と一緒に消炎剤を内服することもあります。

早期診断、早期治療を出来た場合は、良好に回復することが多いとされています。ただし、内耳炎は中耳炎よりも治療に対する反応が悪く、神経症状が残る可能性が高いとされています。

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