ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 猫の病気辞典 > 猫の天疱瘡
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の天疱瘡とは

皮膚の細胞接着成分に対する自己免疫疾患です。

皮膚は無数の細胞で構成されており、常に深部から新しい層が作られ、古い層は表面に移動しながら角化して脱落していく、ターンオーバーを行っています。
角化した細胞同士は細胞間に存在するデスモグレインという成分で接着しています。
天疱瘡は、このデスモグレインに対して自己免疫が異常に働き、角化した細胞の結合が消失して、そこに水疱や膿疱形成などの皮膚症状を起こす自己免疫疾患です。

この病気が猫で起こることは非常にまれです。
天疱瘡には皮膚に病変ができる落葉状天疱瘡と、皮膚と粘膜に病変がみられる尋常性天疱瘡がありますが、猫で起こる天疱瘡のほとんどは落葉状天疱瘡です。

症状としては、皮膚に膿疱や痂皮ができ、軽症から重度まで様々な程度の痒みが見られます。
このような症状は膿皮症などの皮膚感染症でも見られますが、治療は全く異なるため、しっかりとした検査による鑑別診断が重要です。
確定診断には皮膚の組織を小さくくりぬいて検査する皮膚生検が必要になり、治療には免疫を抑えるために高用量のステロイド剤や免疫抑制剤などの投与が必要になります。

猫の天疱瘡の症状とは

主に頭部・顔・耳などに皮膚症状がみられます。

猫の天疱瘡は、頭や顔、耳などに最も症状がよく見られ、左右対称性に現れます。
また、爪の付け根や肉球に症状が出ることもあります。

皮膚症状としては以下のようなものが見られます。

落葉状天疱瘡
・膿疱(すぐにつぶれて痂皮になる)
・痂皮
・痒み(軽度~重度まで様々)

尋常性天疱瘡では、口腔粘膜や粘膜と皮膚の境界面に以下のような症状を示します。
・水疱形成
・びらん(表皮がはがれる)
・潰瘍形成
落葉状天疱瘡に比べ、皮膚の深い部分が免疫のターゲットになって起こります。

猫の天疱瘡の原因とは

自己免疫の異常が原因です。

天疱瘡は自己免疫疾患といって、自分の体に本来備わっている免疫が過剰に働く、または異常に働くことによっておこる疾患の一つです。
この免疫異常がどのような機序で起こるのかはわかっていません。

一部には薬物に反応して発生する場合や、アレルギー性皮膚炎などの慢性疾患の結果として発生するものがあります。
また、日光の刺激によって症状が悪化する場合があります。

猫の天疱瘡の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。

猫の天疱瘡の予防方法について

予防方法はありません。

原因が特定されていないため、効果的な予防方法はありません。

猫の天疱瘡の治療方法について

免疫抑制療法を行います。

天疱瘡の治療には、ステロイド剤や免疫抑制剤などの内服薬による免疫抑制療法を行います。
猫の天疱瘡はこれらの治療に良く反応することが多く、予後は割と良好です。
しかし、治療には長期の投薬が必要になることが多く、その間に副作用が出ないように注意する必要があります。

特に注意が必要なのは、高用量のステロイド剤の投与による糖尿病の発症です。
投薬中は飲水量や食欲の変化、吐き気や下痢などの消化器症状に気を付け、変化が見られたらすぐに病院で相談しましょう。
いくつかの薬を併用して使用することで、一種類当たりの投薬量を減らすことができ、それぞれの副作用のリスクを軽減することができます。

症状が落ち着いてきたら、徐々に投薬期間を開けて、減薬していきます。

外用薬の塗布を併用します。

ステロイド剤の外用薬を病変部に塗布して治療することもできます。
病変が非常に小さい場合には単独で使用することもありますが、内服薬での治療と合わせて使用することも可能です。
長期間の使用で耳の軟骨の変形が起こることがあるため、塗る回数や期間については、獣医師からの指示を守るようにしましょう。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール