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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の肥満細胞腫とは

犬の皮膚腫瘍ではもっとも発生頻度が高い腫瘍です。

肥満細胞腫は犬の皮膚腫瘍ではもっとも発生頻度が高く、全皮膚腫瘍の16~21%を占めます。ほとんどの肥満細胞腫は真皮や皮下組織から発生し、他の組織から発生することはまれです。

犬の肥満細胞腫の症状とは

皮膚に腫瘍が見られるほか、さまざまな症状が見られます。

肥満細胞腫の形態はさまざまで、限局性から多発性、硬結した隆起病変から柔らかく境界不明な病変など多様です。また、臨床的な挙動もさまざまであり、成長が遅く緩やかな経過を示すものから急速に増大し転移する悪性度の高いものまで幅広く見られます。転移は主にリンパ行性で、所属リンパ節を経て、肝臓や脾臓に病巣を形成します。さらに転移が進行すると、骨髄へ浸潤したり末梢血へ出現したりします。肺への転移は、全身性に波及した肥満細胞腫以外ではまれとされています。犬ではまれに消化管に原発することがありますが、消化管の肥満細胞腫は非常に予後が悪いとされています。

肥満細胞腫では、腫瘍細胞の顆粒に含まれるヒスタミン、ヘパリンおよび他の血管作動性アミンにより、腫瘍周囲の浮腫や紅斑(ダリエ徴候)、血圧低下や嘔吐など急性の全身症状、胃十二指腸潰瘍といった腫瘍随伴症候群が生じることがあります。

犬の皮膚肥満細胞腫では、組織学的グレードが確立されており、重要な予後判定因子となっています。組織学的グレードは皮膚肥満細胞腫を対象にしているため、皮下や他の部位の肥満細胞腫については適応できません。また、病理学的分類であるため、細胞診でおこなうことはできません。

犬の肥満細胞腫の原因とは

肥満細胞が腫瘍化することで発症します。

肥満細胞腫は、免疫反応などに関わる肥満細胞が腫瘍化することで起きる病気です。

また、犬の肥満細胞腫では、約30%の症例で幹細胞因子受容体KITをコードするKIT遺伝子にアミノ酸配置を伴う変異が認められます。

犬の肥満細胞腫の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、パグ、ボクサー、ボストンテリアなどが好発犬種として挙げられます。

犬の肥満細胞腫の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

肥満細胞腫には予防放送はありません。早期発見、早期治療が重要になります。

犬の肥満細胞腫の治療方法について

外科的切除、放射線療法、化学療法が挙げられます。

犬の肥満細胞腫の主軸は局所療法になります。十分な切除マージンを取った外科的切除がもっとも重要になります。

化学療法は常に必要とされるわけではなく、組織学的グレードが高い、脈管内浸潤が見られる、リンパ節転移が認められる、切除マージンが不十分な症例に対し放射線療法が実施できない、外科的切除
あるいは放射線療法が実施できない、腫瘍が多発性あるいは全身に波及している、などの状況において補助的におこなわれます。

犬の肥満細胞腫では、ヒスタミンによる胃十二指腸潰瘍や低血圧性ショックが問題となることがあります。このため、支持療法として、ヒスタミン受容体拮抗薬(H1およびH2ブロッカー)が用いられます。H2ブロッカーのかわりにプロトンポンプ阻害薬が用いられることがあります。また、胃十二指腸潰瘍の徴候が認められる場合は、粘膜保護薬が適応となります。

予後

肥満細胞腫の予後は状況や対応により異なりますが、組織学的分類が良い指標となります。高グレードは明らかに予後が悪いと言えます。また、消化管に発生した肥満細胞腫や骨髄浸潤を伴う肥満細胞腫は予後が悪いとされています。包皮、鼠径部、肛門周囲、爪床、粘膜皮膚移行部などに発生した肥満細胞腫は予後が悪い場合があります。

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