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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫カリシウイルス感染症とは

風邪症状と口内炎を起こす病気

猫カリシウイルス感染症は、猫に上部気道炎や歯肉口内炎を起こす病気です。

鼻水やくしゃみ、目ヤニなどの症状がみられ、猫カゼと呼ばれることもあり、ヘルペスウイルス感染症とよく似ていますが、舌炎や口内炎を起こすのが特徴です。
免疫力の弱い子猫での感染が多く、通常は適切に治療することで数日で回復します。
しかし、中には強毒型のカリシウイルスもあり、その場合には成猫でも重度の症状により死亡することもあるため、注意が必要です。

感染力が強く、症状が回復した後もしばらく持続感染してウイルスを排泄し続けます。

猫カリシウイルス感染症の症状とは

口内炎・舌炎が特徴的な症状です。

主な症状には以下のようなものがあります。
・上部気道感染症(くしゃみ、鼻水)
・口内炎(舌や口蓋の潰瘍)
・流涙
・肺炎
・発熱
・元気消失
・食欲不振
・関節炎(子猫跛行症候群)
・流産

免疫力の低い子猫での感染が多くみられます。
カリシウイルスに感染すると通常は10~14日程度で回復しますが、中には肺炎を起こして重症化し、死亡することもあります。
猫ヘルペスウイルス感染症と症状が似ていますが、口内炎や口腔内の潰瘍、水疱ができるのが特徴的です。

カリシウイルスは、一般的に症状が回復しても持続感染が起こり、長いものでは数年にわたって無症状で少量ずつウイルスを排泄し続けます。

強毒全身性カリシウイルス感染症は重篤な症状を示します。

カリシウイルスは変異しやすく、様々な変異株が存在します。
中には強毒株のウイルスもあり、それによって強毒全身性カリシウイルス感染症が起こると症状は非常に重篤となります。
通常のカリシウイルスの症状に加え、皮下浮腫、頭部や下肢の潰瘍、黄疸、腸炎、血液凝固異常などを起こし、成猫の致死率は50%以上にのぼります。

猫カリシウイルス感染症の原因とは

感染猫との直接接触で感染します。

猫カリシウイルスに感染することによっておこります。
感染源となるのは、感染猫の涙や唾液、鼻汁です。
多くは外に出た際に感染猫と直接接触することで感染します。

間接的な感染も起こります。

感染している猫との直接接触以外に、ヒトの手や環境を介しても間接的に感染するので、風邪症状のある猫を触った後はよく手洗い、消毒をすることが必要です。

猫カリシウイルス感染症の好発品種について

全猫種で好発します。

特にありません。
どんな猫でも感染します。

猫カリシウイルス感染症の予防方法について

室内飼育を徹底します。

感染源に接触しないことが一番の予防になります。
できるだけ外には出さず、室内飼いにすることをお勧めします。
新しい猫を迎える場合には、すぐに他の猫と一緒にせず、健康診断を受けて風邪症状や他の感染症などがないかを確認してからにしましょう。

ワクチン接種で予防できます。

カリシウイルスにはワクチンがあります。
ワクチン接種で100%予防できるものではありませんが、免疫を付けておくことで症状を軽減することができます。
接種後、数年で免疫が落ちてくるので、定期的な追加接種が推奨されます。

感染猫がいる場合には消毒を徹底しましょう。

多頭飼いのお宅でカリシウイルスに感染した子がいた場合は、他の猫と生活環境を分ける必要があります。
食器、トイレ、ベッドなども別々にし、飼い主さんを介して感染することを予防するために手洗い、消毒を徹底しましょう。

消毒はアルコール消毒では不十分で、次亜塩素酸ナトリウムなどが効果的です。
環境中に排泄されたウイルスも30日程感染性を持っているため、消毒は念入りに行う必要があります。

猫カリシウイルス感染症の治療方法について

口内炎を抑えて食事が摂れるようにしてあげましょう。

症状の中で一番問題になるのは口内炎です。
歯肉や口峡部、舌に炎症や潰瘍ができることによって、痛みが強く、食事が摂れなくなってしまう場合が非常に多い病気です。
ウイルスに対する免疫を上げるインターフェロンや、二次感染予防のための抗生物質、痛みや炎症を抑えるための消炎剤などを使用して、口の炎症を抑える治療を行います。

硬いものが食べられなくなる場合も多いので、様子を見ながら缶詰やペースト状のフードなどに切り替え、何とか食事を食べられるように工夫してあげましょう。
猫は全く食事が摂れなくなると、「肝リピドーシス」という命に関わる状態になってしまうことがあります。
そのため、必要に応じて鼻からカテーテルを入れて液状のフードを強制給餌することもあります。

他の症状に対しても対症療法を行います。

カリシウイルスに感染すると目ヤニや鼻水で顔が汚れやすくなるので、やさしくふき取って清潔を保つようにしてあげましょう。

肺炎をおこし呼吸が苦しい場合は、酸素吸入などの集中治療が必要です。

食欲があまり思わしくないうちは脱水を起こしやすいので、点滴などで水分補給をしてもらい、できるだけ体調を整えてあげましょう。

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