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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の観葉植物による中毒とは

観葉植物を誤食することで中毒を引き起こすことがあります。

中毒とは、動物の体にとって有害な物質が体内に入ったり、体の中で有害物質ができたりすることで、生理的に障害が起きた状態を言います。

犬の観葉植物による中毒の症状とは

様々な症状が見られます。

犬は元来好奇心が強く、何が中毒物質なのかを判断することはできません。そのため、誤食や誤飲、吸引、皮膚への付着による中毒が見られることがあります。

中毒を起こすと、多くの場合急性あるいは亜急性の症状を示し、治癒に向かう場合、短時間で死亡することもあります。慢性的な経過をとる場合は、犬が毒物と接触したことがはっきりとしないこともあります。特定の毒物を食べたことが確認されない場合は、飼い主様は飼育環境の状態を把握し、それを獣医師にそのまま報告することが一刻も早い救急救命につながると言えます。

中毒の症状としましては、急に一定量以上の毒物が入ったことで臓器に著しい障害が起こり、急激な症状を示して死亡する場合もあれば、急ながらも軽い腹痛や下痢で済むこともあります。一般に口から入ったものは消化器症状、とくに嘔吐や腹痛を起こすことが多く、一方で気体状で呼吸器から入ったものは、咳や呼吸困難などを起こす場合があり、中でも刺激性のものは眼やのどに痛みを引き起こす場合があります。

犬の観葉植物による中毒の原因とは

様々な観葉植物が中毒を引き起こします。

・サトイモ科
代表的な観葉植物としましては、ポトスが挙げられます。葉、茎、根茎などが有毒部分として挙げられます。皮膚のかぶれ、口腔と喉の炎症、流涎、嘔吐などを引き起こします。

・ウコギ科
代表的な観葉植物としましては、アイビーが挙げられます。葉、果実などが有毒部分として挙げられます。嘔吐、下痢、腹痛、口渇、流涎、皮膚刺激などを引き起こします。

・ソテツ科
代表的な観葉植物としましては、ソテツが挙げられます。種子、茎幹などが有毒部分として挙げられます。摂取後12時間以内に発症するとされ、嘔吐、腹痛、肝不全(黄疸、凝固障害など)、腎不全、運動失調、昏睡、痙攣などを引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。

・ユリ科
観葉植物ではありませんが、イヌサフラン、チューリップ、ヒヤシンスなどが挙げられます。種類によって有毒部分と毒性の強さは様々ですが、犬にとってはどれも危険とされ、とくに球根には注意が必要です。嘔吐、下痢、沈鬱、腎不全、呼吸困難、循環不全などを引き起こし、腎不全が起こると死亡率が高まるとされています。

犬の観葉植物による中毒の好発品種について

全犬種で好発します。

若く好奇心が強い犬に多く見られます。どの犬種でも起こり得ます。

犬の観葉植物による中毒の予防方法について

飼育環境から観葉植物を取り除きます。

犬は好奇心が強く、中毒物質なのかを判断できないため、飼育環境から観葉植物を取り除くことが予防につながると言えます。

犬の観葉植物による中毒の治療方法について

催吐処置、吸着剤の投与などをおこないます。

特異的な拮抗薬がある場合にはそれらを用いますが、多くの場合は催吐処置、または活性炭など吸着剤の投与、点滴などによる対症療法が主体となります。

摂取後すぐであれば炭酸ナトリウムの口腔内投与を第1選択薬として催吐処置をおこないます。炭酸ナトリウムは粘膜刺激で嘔吐を来すため飲ませる必要はありません。1回の投与で嘔吐しない場合には再投与をおこないます。再投与で嘔吐しない場合には、トラネキサム酸を静脈内投与します。それでも嘔吐しない場合には過酸化水素の経口投与をおこなう場合があります。

腸内に停留している中毒物質の吸着には、活性炭の経口投与をおこないます。

予後

予後は原因物質によって様々です。急速に症状が発現し、治療に反応せず死の転帰をとるものから、後遺症が残るもの、まったく問題なく回復するものまで、原因物質や曝露された量によって異なります。

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