猫の髄膜腫とは
多くは良性の脳腫瘍です。
髄膜腫とは、脳の表面を覆っているクモ膜にできる腫瘍です。
犬猫の脳腫瘍の中でも最も発生が多く、猫の脳腫瘍の約6割を占めます。
腫瘍が脳を圧迫することにより神経症状を示しますが、腫瘍の発生する場所や大きさによってその症状や程度は様々です。
代表的なものとしては歩行異常や痙攣発作などが見られます。
犬では悪性のものもしばしばみられますが、猫の髄膜腫はほとんどが良性で、正常な脳組織との境界も明瞭なため、手術による摘出ができれば予後が良好なものが多いとされています。
しかし、手術の前にはMRI検査などが必要となり、手術できる病院もある程度限定されます。
猫の髄膜腫の症状とは
様々な神経症状が現れます。
髄膜腫の大きさやどこにできるかによって、様々な神経症状が現れます。
・痙攣発作
・歩行できない、フラフラする
・性格が変わる
・反応が鈍くなる
・食欲低下あるいは食欲亢進
・ものにぶつかって歩く、転ぶ
・トイレの失敗
・昏睡状態
など
痙攣発作は、症状が進行するにつれて発作の継続時間が長くなったり頻度が増えるようになります。
痙攣発作は体に大きな負担を与えるだけでなく、重度になると発作から回復する前に次の発作が起こる重積状態となり、命に関わることもあります。
いずれの症状が見られた場合でも、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
猫の髄膜腫の原因とは
クモ膜にできる腫瘍が原因です。
髄膜腫とは、脳の表面を覆っているクモ膜に腫瘍ができる病気です。
脳は硬い頭蓋骨で覆われており、頭蓋内の脳の占有空間は限局されているため、腫瘍が大きくなるにつれ正常な脳組織が圧迫されて神経症状が現れます。
腫瘍がどのようにして発生するのかはわかっていません。
猫の髄膜腫の好発品種について
好発する品種はありません。
特にありません。
猫の髄膜腫の予防方法について
効果的な予防方法はありません。
髄膜腫の発生は原因不明のため、効果的に予防する方法はありません。
猫の髄膜腫の治療方法について
外科手術で治療します。
猫の髄膜腫はほとんどが良性です。
正常な組織との境界が比較的明瞭で、手術による摘出が可能であれば切除後の予後は良好とされています。
しかし、検査・診断のためには麻酔をかけてMRI検査をすることが必要となり、また脳の手術は非常に専門的で、一般病院では実施できません。
大学病院や高度医療施設を受診する必要があります。
また、検査・治療費も高額となります。
対症療法を行います。
治療費の問題や、高齢で麻酔が難しいために手術が困難な場合は、対症療法を行います。
抗痙攣剤などを投与して発作を抑え、またステロイド剤などで腫瘍の周りの脳組織の炎症を抑制し、症状の緩和を行います。
しかし、根本的な治療ではないため、徐々に進行してしまいます。