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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の肥満症(高脂血症)とは

総コレステロールまたはトリグリセリドの血中濃度が上昇した状態を示します。

高脂血症とは、総コレステロール(T-Cho)またはトリグリセリド(TG)の血中濃度が上昇した状態を示すものであり、何らかの理由によりリポ蛋白の産生増加もしくは分解遅延により発生します。

犬の肥満症(高脂血症)の症状とは

症状が見られないことが多いです。

軽度の総コレステロール・トリグリセリドの上昇では間欠的な嘔吐、下痢、腹部不快感がもっとも多く認められますが、症状が発現せず、問題とならないことも多いとされています。

重度の高トリグリセリド血症では、膵炎や網膜脂血症、発作、末梢性神経麻痺、無気力、ぶどう膜炎などが誘発されます。高コレステロール血症も重度となりますと、粥状動脈硬化症に進展することが示唆されていますが、人間と比べるとまれとされています。

脂質系の評価をする場合、まずは食後高脂血症の可能性を除外しなくてはなりません。食後の生理的な高脂血症は7~12時間後に起こるとされているため、食後12時間以上の絶食が推奨されています。

犬の肥満症(高脂血症)の原因とは

続発性高脂血症

高脂血症は、原発性と続発性に分類され、続発性のものが一般的に認められます。

続発性高脂血症の原因としましては、甲状腺機能低下症がもっとも多く、その他に副腎皮質機能亢進症、糖尿病、膵炎、閉塞性の肝疾患、ネフローゼ症候群などが挙げられます。これらのうち、膵炎や閉塞性肝疾患は、高脂血症の結果として発生している場合もあります。副腎皮質ホルモン剤フェノバルビタールなど、一部の薬剤の投与が高脂血症を誘発することもあります。

原発性高脂血症

原発性高脂血症としましては、ミニチュアシュナウザーの高トリグリセリド血症、シェットランドシープドッグの高コレステロール血症などが広く知られています。

犬の肥満症(高脂血症)の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

高トリグリセリド血症のミニチュアシュナウザー、高コレステロール血症のシェットランドシープドッグに加えて、ビーグルやトイプードルでも重度の高脂血症が認められるととがあります。

犬の肥満症(高脂血症)の予防方法について

基礎疾患の早期発見、早期治療をおこないます。

続発性高脂血症の原因となる甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、糖尿病、膵炎、閉塞性の肝疾患、ネフローゼ症候群などの基礎疾患の早期発見、早期治療をおこなうことが予防につながる可能性があります。

犬の肥満症(高脂血症)の治療方法について

食事療法、サプリメント、薬物療法をおこないます。

高脂血症による合併症を防ぐため、一定水準を超えた高脂血症は治療介入するべきとされています。高コレステロール血症よりも高トリグリセリド血症の方が臨床的に問題となることが多いため、血中トリグリセリド濃度が500mg/dL以上であった場合には治療介入が必須と考えられています。

高脂血症に対する食事療法としましては、低脂肪食や高繊維食が推奨されています。原発性高脂血症のミニチュアシュナウザー15頭に対して低脂肪食を8週間給与したところ、有意に高トリグリセリド血症の改善が認められたと報告されています。基礎疾患として糖尿病がある場合には高繊維食が好ましく、膵炎や肝疾患がある場合には低脂肪食の方が望ましいと考えられています。

高脂血症に対するサプリメントとして、現時点ではω-3脂肪酸の投与が推奨されています。ω-3脂肪酸は脂質代謝のさまざまな経路を作用し、結果的に血中のトリグリセリド、総コレステロールの低下をもたらすとされています。

脂質代謝を改善させる薬剤として、フィブラート系薬剤やHMG-CoA還元酵素阻害薬などが利用可能とされています。いずれも横紋筋融解や肝毒性、消化器症状などが認められることがあるため、基礎疾患の治療、食事療法、サプリメントでも高脂血症が良好に管理できない場合にのみ使用すべきとされています。

予後

原発性高脂血症は加齢とともに進行することがあるため、はじめは食事療法だけでコントロールできたとしても徐々にコントロール不良となっていくことがあります。ただし、その場合でもサプリメント、薬物療法を組み合わせることで、比較的良好な予後を長期的に得ることが可能とされています。

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