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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬パルボウイルス感染症とは

仔犬に致死的なウイルス感染症です。

犬パルボウイルスの感染による致死性の感染症です。子犬に対してトマトジュース様と形容される「血液で便を溶かしたような劇的な下痢」を引き起こし、死に至らしめます。

犬においてコアワクチンの対象(犬パルボウイルス感染症、犬ジステンバー感染症、犬アデノウイルスⅠ型感染症)とされている疾患であり、混合ワクチンの定期的な接種で予防することができます。

子犬を多く診察する動物病院では年に何例か犬パルボウイルスで死亡する子犬を診察することがあります。パルボウイルス感染症はまだ根絶されておらず、今もどこかで息をひそめている感染症です。

犬パルボウイルス感染症の症状とは

激しい血下痢や嘔吐がみられます。

トマトジュース様の血液と糞で構成された水溶性の下痢便がみられ、嘔吐や元気喪失、食欲喪失などの激しい症状とともに症状が急速に悪化し、虚脱や意識喪失を引き起こし、死に至ります。

感染したパルボウイルスは腸壁の細胞内で増殖することで腸組織を破壊します。血液を含んだ激しい下痢便が引き起こされます。重度の脱水や循環血液量の減少、さらには破壊された腸壁から腸内の常在細菌が血液中に侵入し、全身性の感染を引き起こし、多臓器不全を続発します。

犬パルボウイルス感染症の原因とは

犬パルボウイルスが原因になります。

免役力の弱い子犬などに犬パルボウイルスが感染することで発症します。母犬や同腹子、同居犬や散歩でであった犬などとの接触により伝搬し、母乳による免疫をかいくぐり感染します。

犬パルボウイルス感染症の好発品種について

全犬種で好発します。

犬パルボウイルスが原因となる感染症であり好発犬種はありません。特に子犬に対して劇的な症状を引き起こしますが、きちんとワクチン接種がされていない成犬に対しても感染します。

犬パルボウイルス感染症の予防方法について

ワクチンの正しい接種により予防します。

犬におけるコアワクチンの対象の感染症であり、一般的に混合ワクチンと呼ばれる種類のワクチン(3種、5種、7種混合ワクチン等)を接種し、免疫を付けることで予防できます。

子犬におけるパルボウイルス感染症は致死的であり、確実なワクチネーションを実施しなければなりません。これはワクチンを接種していない子犬から他の犬に致死性の感染症が伝播することを防ぐためです。感染症とはワクチンを打たなかった自分の犬だけではなく、他人の犬にも死をもたらす可能性があるものです。ワクチンは必ず打ちましょう。

子犬におけるパルボウイルスワクチンは感染防止に相当の高い効果を持ちます。しかし、場合によってはワクチネーションをかいくぐり感染を引きおこします。子犬は移行抗体という母親の母乳由来の感染防御機構を持っており、ウイルスや細菌そのものや、その断片を用いて免疫を付けるワクチンを相殺してしまいます。そのため、ワクチンによる免疫効果が立ち上がる前に犬パルボウイルスの感染が成立してしまうことが起こりえます。

移行抗体の効果は生後数週間で消失するため、混合ワクチンは一定の期間を開けて2~3回接種することで移行抗体との相殺を避けながら免疫を行います。

犬パルボウイルス感染症の治療方法について

早期発見・治療により救命できる可能性があります。

子犬に対するパルボウイルス感染症は急速に進行する劇的な症状が特徴であり、無治療の場合、90%以上が命を落としてしまいますが、早期発見、早期治療により救命出来る可能性が高まります。

パルボウイルス感染症の治療では、激しい嘔吐のコントロール(制吐薬の投与)、細菌による敗血症の治療(抗生物質の投与)、脱水や電解質異常の緩和(輸液)、疼痛や出血の治療(抗炎症剤や止血剤の投与)、犬パルボウイルスの増殖防止(インターフェロンの投与)を同時に平行しながら行います。

治療の開始時期も救命率に大きく関わります。疑わしい症状がみられたときは、動物病院に「子犬に血が多量に混ざった下痢便がみられる」ことを必ず連絡し(院内感染を防ぐため)、速やかに来院してください。

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