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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の歯肉炎とは

歯茎が炎症で赤く腫れます。

歯肉炎は歯を支える歯肉に炎症が起こった状態です。

猫ではヒトの様に齲歯(虫歯)はあまり見られませんが、歯肉炎や歯周病がよく見られます。
中でも、歯肉炎は若い猫でも見られることが多く、歯周病の初期段階の症状としても注意が必要な病気です。

重度になると痛みから常に涎を垂らしたり、食事をすることが困難になるなど、日常生活に支障をきたすようになりますので、できるだけ早い段階からケアをしてあげるようにしましょう。

猫の歯肉炎の症状とは

無症状~口の痛みが見られます。

初期の歯周病は、あまり症状を示さないことが多いため、歯の付け根が少々赤くてもあまり問題視されていないことがあります。

しかし、歯肉炎は歯周病の初期症状でもあります。
歯肉炎が長期化することで歯肉が下がり、歯の付け根が露出すると歯周病を起こし、その進行を早めてしまいます。

歯肉炎の症状には以下のようなものがあります。
・歯の付け根が赤い
・歯肉が赤く盛り上がっている
・歯肉の組織が弱く、触ると容易に出血する
・涎を垂らす
・硬いものを食べられない
・口を気にして手でこする
・口臭がひどい

進行した歯肉炎では涎に血が混ざるようになり、常に涎を垂らしているために、口の周りや前足の先が涎で汚れ、毛が常に濡れた状態になり、皮膚炎を起こすこともあります。

症状が悪化してからでは内科治療だけでは困難になることが多く、歯周病などに発展してしまうと歯が抜けたり硬いものが食べられなくなったりと、様々な支障をきたすようになります。
また、歯周病は心臓病や腎臓病の悪化要因ともなり、全身状態にも影響することがあるため、そうなる前の歯肉炎の段階でできるだけ早くケアしてあげることが大切です。

猫の歯肉炎の原因とは

口腔内の細菌の増殖によっておこります。

口の中には無数の細菌が存在します。
多くは常在菌といい、猫の体に悪さをすることなく共存している菌ですが、食べ物のカス(歯垢)などが多く存在すると菌がそこで増殖し、歯肉炎を起こすようになります。

犬猫の唾液はヒトと異なり、アルカリ性に傾いています。
そのため、ヒトよりも歯石が付着しやすい傾向があります。
歯石が付着し始めるとそこに歯垢が付きやすくなり、さらに歯石が大きくなり、と悪循環によって口腔内の衛生状態はどんどん悪くなり、歯肉炎も悪化しやすくなります。

歯肉炎が悪化すると歯周ポケットが深くなったり歯肉が下がることによって歯周病に発展し、やがて歯を失うことにもつながります。

ウイルス感染が原因となります。

ある種のウイルス感染があると、歯肉炎や口内炎を起こしやすくなります。
代表的なものは以下の通りです。

・猫カリシウイルス
・猫エイズウイルス
・猫ヘルペスウイルス

特に猫エイズウイルス感染では、発症すると免疫が低下するため、重度の歯肉炎や口内炎を起こし、その管理は非常に難しくなります。

猫の歯肉炎の好発品種について

全猫種で好発します。

どんな猫でも起こります。
若齢でも多くの猫が軽度の歯肉炎を抱えています。

猫の歯肉炎の予防方法について

歯磨き習慣をつけましょう。

猫ではなかなかハードルが高く難しい場合も多いですが、歯磨きの習慣をつけることができれば、食事後の歯垢を取り除き、口腔内細菌の異常増殖を抑えることができます。
また口の中を見ることが習慣化するため異常に早期に気づくことができ、重度の歯肉炎を予防することにつながります。

歯ブラシでできなくでも、指サック型のゴム製の歯磨きグッズや、水に溶かすタイプのデンタルリンス、咀嚼時の摩擦によってデンタルケアできるように設計されたフード等、様々なデンタルケア商品が販売されています。
ライフスタイルに合わせて自宅でできる方法を取り入れてみましょう。

感染症を予防しましょう。

ウイルス感染は感染している猫との接触によっておこります。
できるだけ室内飼育にし、感染している猫との接触を避けるようにしましょう。

また、子猫の時に感染が成立してしまうことのあるカリシウイルスやヘルペスウイルスに関しても、定期的にワクチンの追加接種を受け、体に十分な免疫力を付けておくことで発症を予防してあげましょう。

猫の歯肉炎の治療方法について

抗生物質や消炎剤を投与します。

初期の歯肉炎では、デンタルケアを行い口腔内の衛生状態を良くしてあげることで改善することがあります。

重度の歯肉炎の治療では抗生物質や消炎剤の投与を行い、異常に増殖した菌を抑えつつ炎症を抑えていく治療を行います。

インターフェロン療法で症状を抑えます。

歯肉炎の発症にウイルス感染が関与していることがあるため、インターフェロンを投与することでウイルスに対する抵抗力を上げ、症状をおさえていく治療です。

インターフェロンは注射で打つこともできますが、長期間投与することが必要になるため、水に溶かしたものを飲み薬として投与したり、あるいは歯肉口内炎治療用につくられた製剤を歯肉に塗って投与したりする方法があります。

歯科処置が必要な場合もあります。

重度の歯肉炎や歯周病に発展している歯肉炎では、麻酔をかけて歯石を取り、炎症を起こして不整になった歯肉をトリミングし、場合によっては抜歯を行わなければならない場合もあります。

全抜歯を検討します。

猫では自分の歯に対して異常な免疫反応が起こり、重度の歯肉口内炎を起こす場合もあります。
その場合は、歯が存在する限り炎症が落ち着かないため、すべての歯を抜歯する処置が必要となりますが、その治療を行う前に上記のような治療を行い、改善が見られない場合に検討します。

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