ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 犬の病気辞典 > 犬の腎炎
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の腎炎とは

腎臓の糸球体が炎症を起こす疾患です。

糸球体腎炎とは、腎臓の糸球体が炎症を起こす炎症のことを言います。単独で起こる場合と他の病気に伴って起こる場合があります。糸球体腎炎は犬、猫どちらにも起こりますが、犬により多く見られます。

犬の腎炎の症状とは

蛋白尿などの症状が見られます。

急性型は急性腎不全の症状、慢性型は慢性腎不全の症状を示します。基礎疾患がある場合は、その疾患によってさまざまな症状が現れます。蛋白尿は共通した症状であり、それに起因して認められる病態としましては、低アルブミン血症、浮腫、高血圧、凝固亢進、高コレステロール血症などが挙げられます。高血圧に伴って網膜剥離などの眼の異常や神経症状が見られることもあります。凝固亢進については、肺や大動脈などに血栓塞栓症を引き起こす可能性があります。
蛋白尿に起因した尿細管の変性、萎縮やネフロンの喪失などが起こるため、慢性腎臓病や急性腎障害で認められる病態も同時に起こり得ます。

犬の腎炎の原因とは

免疫が関係しているとされています。

糸球体腎炎では、抗原と抗体が結合した免疫複合体が関与して、糸球体に障害を与えると考えられています。多くの場合、免疫の異常を引き起こしている原因は不明です。現在まで関連が知られている疾患には、フィラリア症、犬アデノウイルス2型感染症、子宮蓄膿症、リンパ腫、膵炎、副腎皮質機能亢進症、免疫介在性溶血性貧血などが挙げられます。

犬の腎炎の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

イングリッシュコッカースパニエル、ゴールデンレトリバー、サモエド、スタンダードプードル、ドーベルマン、バーニーズマウンテンドッグ、ビーグル、ブルテリア。ロットワイラーなどの犬種は遺伝性の糸球体腎炎を起こすと言われています。

犬の腎炎の予防方法について

主に原因となる疾患の早期発見、早期治療をおこないます。

原因が特定できないこともあるため、予防が難しい場合もありますが、原因となる疾患の早期発見、早期治療が糸球体腎炎の予防につながる可能性があります。また、原因となる疾患のフィラリア症、犬アデノウイルス2型感染症、子宮蓄膿症は予防することができます。

犬の腎炎の治療方法について

標準治療と免疫抑制療法をおこないます。

糸球体腎炎の治療は、必ず実施する治療である標準治療と、糸球体腎炎の原因によって実施を検討する免疫抑制療法からなります。

標準治療は、糸球体腎炎の原因疾患の治療、蛋白尿を減少させるための治療、蛋白尿に起因した病態の治療、からなります。
蛋白尿を減少させるための治療としましては、第1選択はACE阻害薬となります。食事は、可能であれば腎臓病用の療法食に切り替えることが推奨されています。
治療を要する蛋白尿に起因した病態としましては、凝固亢進、浮腫、高血圧が挙げられます。凝固亢進の治療としましては、抗血栓療法をおこないます。浮腫は一般状態や呼吸状態に影響を及ぼしている場合に治療をおこないます。利尿薬の投与を検討する場合、穿刺による物理的な抜去を実施する場合があります。高血圧は関連した有害事象の予防・治療になるだけでなく、蛋白尿の減少や慢性腎臓病の進行の抑制にもつながり得るため、治療の実施を検討します。ACE阻害薬やカルシウム受容体拮抗薬が用いられます。

免疫抑制療法は、①腎生検をおこなった結果、免疫複合体糸球体腎炎と判断され、免疫抑制療法が禁忌でないと推測できる場合、②腎生検はおこなっていないが蛋白尿の原因が糸球体性であることが強く疑われ、重度の低アルブミン血症があり、免疫抑制療法が禁忌な状況ではないとう推測できる場合、に開始が検討されます。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール