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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の喉頭麻痺とは

喉頭の気道障害が生じることで症状が発現します。

喉頭は正常例においては、吸気時に開き、呼気時に閉じます。しかし、何らかの原因によって神経が損傷することで披裂軟骨を牽引する背側輪状披裂筋の動きが障害を受け、吸気時に喉頭が開かなくなります。そのため、喉頭の気道障害が生じることで症状が発現するようになります。

犬の喉頭麻痺の症状とは

様々な呼吸器症状がみられます。

喉頭麻痺の主な臨床症状としましては、ストライダー、吸気努力、呼吸困難、嗄声(しゃがれ声)などが挙げられます。
軽度の場合は、症状をとらえにくいとされていますが、中等度であればストレス負荷がかかると吸気努力を示し、症状が発現します。重症度が高い場合、様々なストレスによって容易に呼吸困難や高体温を示し、呼吸停止などのリスクもあるため注意しなければなりません。

犬の喉頭麻痺の原因とは

先天性、後天性に分類されます。

喉頭麻痺が大きく分けて先天性、後天性に分類されます。

原因としましては、外傷、炎症、腫瘍、内分泌疾患、医原性などが挙げられます。医原性は、胸部あるいは頸部外科手術時に反回神経が障害を受けることで発現します。反回神経が損傷すると披裂軟骨を牽引する背側輪状披裂筋の動きが障害を受け、吸気時に喉頭が開かなくなります。そのため、喉頭の気道障害が生じることで症状が発現するようになります。

先天性喉頭麻痺は多くはありませんが予後不良とされています。後頭骨ー環椎ー軸椎奇形に起因する症例が報告されています。

犬の喉頭麻痺の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

喉頭麻痺は大きく分けて先天性、後天性に分類されます。

先天性喉頭麻痺は、1歳未満の若齢で見られ、ダルメシアンやロットワイラーで報告されています。

後天性喉頭麻痺は、中~高齢の大型犬に多く、とくにゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーで発生頻度が高いとされています。喉頭麻痺のうち34%がラブラドールレトリバーであるという報告もあります。

犬の喉頭麻痺の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

喉頭麻痺は予防が難しい疾患であるため、早期発見、早期治療が重要となります。

犬の喉頭麻痺の治療方法について

内科療法

努力呼吸を呈している場合は、まずは安定化と酸素投与が必要になります。酸素投与は、フローバイ、マスク、酸素室(酸素濃度40%以上)が有効です。チアノーゼがあり、呼吸困難が認められる場合は、挿管管理が必要となります。
喉頭炎や浮腫に対しては、ステロイド剤(デキサメタゾン、プレドニゾロンなど)を使用することで症状の改善が認められる場合があります。鎮静剤(アセプロマジン、ジアゼパムなど)は重症例もしくは喉頭虚脱を伴う症例の場合は、呼吸停止のリスクもあるため注意が必要です。

外科療法

外科療法の目的は、喉頭を広げて呼吸できるようにすることですが、合併症をいかに抑制するかが重要となります。片側披裂軟骨側方化術が第一選択としてもっとも一般的におこなわれており、エビデンスも多いとされています。その他に一時気管切開術や永久気管切開術が必要になることもあります。
片側披裂軟骨側方化術は、大型犬から1㎏台の超小型犬まで実施可能です。片側披裂軟骨側方化術の実施が困難、あるいは片側披裂軟骨側方化術では良好な予後が期待できないと判断した場合にのみ永久気管切開術が実施されます。

予後

治療の合併症としましては、誤嚥性肺炎、縫合糸または軟骨の断裂、喉頭浮腫、浮腫による喉頭の再閉塞が代表的であるとされています。
先天性喉頭麻痺の予後は不良であり、2年以内に死亡するとされていますが、後天性喉頭麻痺の場合、披裂軟骨側方化術で誤嚥性肺炎が起こらなければ、およそ90%の症例あ予後良好とされています。

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