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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の精巣腫瘍とは

精巣に発生する腫瘍で、代表的なものが3種類あります。

犬の精巣腫瘍では、精上皮腫(セミノーマ)、セルトリ細胞腫、間細胞腫(ライディッヒ細胞腫)の3つの腫瘍がもっとも多く、同等の頻度で発生するとされています。それ以外の精巣腫瘍はまれであり、胚性癌、脂肪腫、線維腫、血管腫、軟骨腫、奇形腫などが報告されています。

犬の精巣腫瘍の症状とは

セミノーマ

セミノーマは、精巣の生殖細胞から発生し、一般に陰嚢内の精巣でも、停留精巣でも発生します。セミノーマは大型になりやすく、ほとんどの精巣組織を腫瘍に置換してしまうことがあります。また、雌性化を伴うことがあります。

セルトリ細胞腫

セルトリ細胞は、精子を育てる精細管を支持する細長い細胞のことであり、この腫瘍は支持細胞から発生します。正常でも腫瘍細胞でも、セルトリ細胞はエストロジェンを産生します。
通常は孤立性であり、多発性や両側性のこともあります。とくに腫瘍が大きい場合は、エストロジェンの過剰産生を来すことがあり、骨髄抑制を引き起こすことがあります。また、雌性化を伴うことがあります。

ライディッヒ細胞腫

多発性や孤立性で陰嚢内の精巣に発生し、セルトリ細胞腫を併発することが多いとされています。この腫瘍はアンドロジェンを産生し、男性ホルモンの不均衡を引き起こします。また、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫および過形成、前立腺両性肥大などを伴うことがあります。

犬の精巣腫瘍の原因とは

セミノーマ、セルトリ細胞腫、ライディッヒ細胞腫の3種類がみられます。

精巣腫瘍は一般に良性であるものの、セミノーマの5~10%、セルトリ細胞腫の10~20%は病理組織学的に浸潤性が認められることがあり、腰下リンパ節群や肝臓、肺などに転移病巣を形成することがあります。

犬の精巣腫瘍の好発品種について

全犬種で好発します。

精巣腫瘍は去勢手術を受けていない雄犬であればどの犬種でも起こり得ます。一般に精巣腫瘍は犬のほうが猫よりも発生が多く認められます。通常は10歳以上の高齢犬に発生しますが、停留精巣の場合はそれよりも若齢で発生します。

犬の精巣腫瘍の予防方法について

去勢手術が予防につながります。

去勢手術は精巣を完全に切除する手術ですので、去勢手術をうけることで精巣腫瘍を予防することが可能です。また、停留精巣では精巣腫瘍のリスクが高まることから、停留精巣の場合はとくに去勢手術をうけることが推奨されています。

犬の精巣腫瘍の治療方法について

精巣の切除をおこないます。

治療は、両側の精巣の切除をおこなうことです。まず、視診と触診にて精巣の片側が腫脹しており、大きさが左右不対称であった場合は精巣の摘出が推奨されます。また、陰嚢内の精巣に発生した腫瘍は通常良性ですが、停留精巣は将来的にセルトリ細胞腫とセミノーマ両方の素因となるじことから、早期の去勢手術が推奨されています。
停留精巣の犬は、精巣腫瘍の発生率が正常犬より13.6倍高くなります。また、鼠経ヘルニアの犬でも4.6倍高くなるとされています。
基本的には精巣腫瘍は良性であることが多いでが、少ない例で転移が認められます。その場合はゆっくりと進行し、腰椎や鼠経リンパ、または外腸骨リンパ節への転移は多いとされています。
精巣腫瘍の中でも、セルトリ細胞腫の場合は重篤な腫瘍随伴症候群を引き起こすことがあります。エストロジェン過剰症により、骨髄抑制が引き起こされ、血小板減少症や好中球減少症、貧血などが発生することがあります。

予後

一般的に、外科的に精巣を摘出することで予後は良好であると言えます。しかしながら、骨髄抑制が認められるような症例では、まれに予後の悪い場合があります。また、転移した場合には、切除可能であれば外科的切除をおこない、追加治療として化学療法をおこないます。

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