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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の胆管癌とは

胆管の細胞の悪性腫瘍です。

胆管とは胆汁を運ぶ管のことで、肝臓内にある微小な胆管を肝内胆管、肝臓の外から胆嚢につながる胆管を肝外胆管、胆嚢から十二指腸に胆汁を分泌する管を総胆管と呼びます。

肝臓内で産生された胆汁は肝内胆管を通って集合し、肝外胆管を通って胆嚢内に蓄えられ、消化に必要な際に胆嚢から総胆管を通って十二指腸内に分泌されます。

この胆管の細胞が腫瘍化したものを胆管腫瘍(胆管細胞腫瘍)といい、良性の胆管腺腫と悪性の胆管癌に大きく分けられます。

胆管癌は猫の肝胆道系にできる悪性腫瘍の中で最も発生が多く、発生する部位によって肝内、肝外、胆嚢内に分類されます。
猫では肝外性の胆管癌が多い、あるいは肝内性と肝外性がほぼ同程度発生し、胆嚢内での発生は稀ですが、いずれの場合も胆管癌は非常に悪性度の高い腫瘍で、ほとんどの場合は他臓器にも遠隔転移し、予後不良です。

猫の胆管癌の症状とは

一般状態の低下と肝機能障害がみられます。

胆管癌がある場合に見られる症状には、以下のようなものがあります。

・元気消失
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・体重減少
・腹囲膨満
・腹水
・黄疸
・出血傾向
・神経症状(ふらつき、痙攣発作、昏睡状態など)

初期に見られる元気・食欲低下や消化器症状は、他のさまざまな病気の時にも認められる非特異的な症状のため、その症状だけで胆管癌を疑うことは難しく、早期発見できることは少ない病気です。

しかし、黄疸や痩せてきているのにお腹だけ膨れている、などといった場合には、肝臓に異常がある、肝臓が腫れている、腹水が溜まっていることを示すサインです。
そのような変化を見逃さず、異常を感じたらできるだけ早く病院を受診しましょう。

血液検査やお腹のレントゲン検査・超音波検査を行うと、肝酵素の上昇や肝臓の腫大、肝臓の中のしこり、時にはお腹の中に溜まった液体などが認められます。

診断のためには肝臓やお腹の中にできたしこりに針を刺して細胞を採取する検査などが必要になります。

猫の胆管癌の原因とは

原因は不明です。

胆管癌がどのような機序で発生するのか、どのような要因が関与するのかはわかっていません。

猫の胆管癌の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。

猫の胆管癌の予防方法について

効果的な予防方法はありません。

胆管癌が発生する原因がわかっていないため、効果的に予防する方法はありません。

猫の胆管癌の治療方法について

早期発見できた場合は外科的切除を検討します。

胆管癌が一つだけの塊として認められる場合には、手術による摘出を検討します。

非常に早期の発見の場合は切除可能ですが、多発性に肝臓のあちこちに発生している場合は全てを取り切ることはできないため、手術は難しくなります。

また、手術で切除可能であった場合にも、後に再発が起こったり転移病巣が形成され、半年以内に致死的な経過をとることが多いとされています。

外科治療以外の治療方法(化学療法等)では現段階では効果的と言えるものはなく、予後が非常に悪い病気です。

対症療法を行います。

根本的な治療は難しいことが多く、治療としては対症療法がメインとなります。
点滴で体調を整え、肝臓を保護するお薬や、消化器症状を抑えるお薬の投与などを行います。

重度の肝機能障害から高アンモニア血症を起こし、肝性脳症による発作が見られた場合には、抗けいれん薬を投与して発作を抑え、アンモニアの生成・吸収を抑える薬の投与を行います。

また、出血傾向などが見られる場合には、止血に関連するビタミン剤の投与などを行います。

予後が悪い病気ではありますが、できるだけ細かに様子を観察し、一つ一つの症状に対応した治療を行うことでネコちゃんの苦痛を軽減してあげましょう。

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