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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の爪の下の腫瘍とは

扁平上皮癌、皮膚黒色腫などが挙げられます。

犬の指端、爪床に腫瘍が発生することがあります。代表的なものに扁平上皮癌、皮膚黒色腫などが挙げられます。

犬の爪の下の腫瘍の症状とは

扁平上皮癌

肢先を気にして舐めたり、肢を挙げることがあります。また、爪の異常が見られることがあります。
悪性腫瘍ではありますが、外科療法で予後良好である場合が多いです。

皮膚黒色腫

腫瘍は結節性病変以外にも斑点状や丘疹のような外観をとることもあります。色はメラノサイトの含有量に依存しており、黒色のほか茶色、赤色、白色のものも存在し、腫瘍の表面は無毛であることが多いです。
爪床に発生する黒色腫は悪性ではありますが、良性挙動をとり他臓器へ転移することはまれとされています。

犬の爪の下の腫瘍の原因とは

扁平上皮癌

扁平上皮癌は様々な部位での発生が報告されており、皮膚(指端、眼瞼、鼻鏡など)、口腔、鼻腔、扁桃、肺などに多いとされています。皮膚の扁平上皮癌は、皮膚腫瘍の6%を占めるとされています。難治性創傷の原因が扁平上皮癌であったというケースも多く認められています。

皮膚黒色腫

皮膚メラノサイト腫瘍はメラニン色素産生細胞(メラノサイト)由来腫瘍であり、犬で発生する皮膚腫瘍の10~15%を占めるとされています。良性腫瘍であるメラノサイトーマと悪性腫瘍である黒色腫(メラノーマ)が存在します。犬の黒色腫の原発部位は口腔内が最も多く、次いで口唇、皮膚、爪床と報告されています。
診断には細胞診や病理組織学的検査を実施しますが、細胞診のみでは悪性度の評価は困難であり、良性のメラノサイトーマと悪性の黒色腫の鑑別には病理組織学的な評価が必要なことが多いとされています。

犬の爪の下の腫瘍の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

爪の下の扁平上皮癌は、黒色の大型犬に多いとされ、スタンダードプードル、フラットコーテッドレトリバー、ラブラドールレトリバー、ロットワイラーなどによく見られます。黒色のミニチュアダックスフンドに見られることもあります。

皮膚黒色腫は、ゴールデンレトリバー、ドーベルマン、ラブラドールレトリバーに多いとされています。

犬の爪の下の腫瘍の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

腫瘍性疾患であり、予防方法はないため、早期発見、早期治療が重要になります。

犬の爪の下の腫瘍の治療方法について

扁平上皮癌

指端に発生する扁平上皮癌では、断指術をおこないます。第3、4指は体重の負荷が大きくかかる部位であり、第3、4指を含む複数指や肉球など広範切除が必要な場合は断脚術も考慮する必要があります。単独の断指では歩様に大きな影響を及ぼさないとされています。皮膚に大きな余裕がなく、関節部での切除ではなく骨を切断する場合あ断端をロンジュールなどで削り、軟部組織、皮膚への刺激を減らします。また、関節部での切除をおこなった場合は、生体側の断端の軟骨を削ることで関節液の産生を抑え、創傷治癒に効果があるとされいますが、小型犬、中型犬では軟骨を削らなくてもとくに問題は生じないとされています。

皮膚黒色腫

治療の第1選択は外科的切除になります。細胞診のみでは良性のメラノサイトーマと悪性の黒色腫の鑑別がきわめて困難であるため、術前に病理組織学的検査を実施することが望ましいとされています。術前に病理祖組織学的検査を実施できない場合は、悪性黒色腫を考慮し可能であれば1~2cm程度の広範囲のサージカルマージンを確保したほうが良いとされています。爪床発生の悪性黒色腫は、局所浸潤性が高いため、断指術や断脚術が強く推奨されています。
様々な理由で外科的切除が適用できない症例や完全切除が困難な症例の補助療法として放射線療法が考慮されます。
悪性黒色腫に対する化学療法の第1選択薬はカルボプラチンですが、肉眼病変に対する奏効率は28%と低く、化学療法には抵抗性であると言えます。

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