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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の眼球の腫瘍とは

眼球には様々な腫瘍が発生します。

眼球には様々な腫瘍が発生します。腫瘍の発生部位は、眼球結膜・角強膜、光彩・毛様体、網膜・脈絡膜に分類されます。

犬の眼球の腫瘍の症状とは

眼に関連する様々な症状が見られます。

眼球腫瘍は確認がしづらく、確認ができたときにはすでに腫瘍はかなり大きくなり、かつ眼球内の周囲組織に浸潤していることが多いです。また、前房出血、ぶどう膜炎、水晶体の亜脱臼・脱臼、緑内障、瞳孔や眼球の変形、視覚異常などの臨床症状を示していることがあります。
これらの臨床症状が認められた場合には、眼内も含めた眼球の状態を把握すべく、細隙灯顕微鏡検査、眼圧測定、隅角検査、眼底検査などの系統的眼科検査に加えて超音波検査やCT/MRIなどの断層撮影装置を用いた検査を積極的に実施して、眼球に腫瘍が存在するかどうかの判断を迅速かつ的確に行うべきとされています。

犬の眼球の腫瘍の原因とは

様々な腫瘍が発生します。

原発性眼球腫瘍としましては、眼球結膜・角強膜には黒色腫、扁平上皮癌、乳頭腫、腺腫、リンパ腫、血管腫、線維性組織球腫、肥満細胞腫、線維肉腫などがあります。光彩・毛様体には黒色腫、腺腫、腺癌、髄上皮腫などがあります。網膜・脈絡膜には髄上皮腫、神経節神経膠腫、脈絡膜黒色腫などがあります。

転移性の光彩・毛様体ならびに網膜・脈絡膜の腫瘍としましては、リンパ腫が多く見られます。これに関連して前房出血、光彩・毛様体の腫大や腫脹、前房や眼球全体に占拠性病変が形成されている場合は、体表リンパ節の触診や血液塗抹の観察が必要になります。リンパ腫が強く疑われ、既に腫瘍細胞が前房内を占拠しているような症例では、点眼麻酔後、眼球のFNAと腫大しているリンパ節のFNAを実施して、リンパ腫の診断を確定します。

犬の眼球の腫瘍の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

どの犬種でも起こり得る疾患ですが、リンパ腫はアメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカースパニエル、エアデールテリア、ゴールデンレトリバー、セントバーナード、ブルドッグ、ボクサー、ロットワイラーなどに多いとされていますので、注意が必要です。

犬の眼球の腫瘍の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

腫瘍性疾患であり、予防方法はないため、早期発見、早期治療が重要となります。

犬の眼球の腫瘍の治療方法について

眼球摘出術をおこないます。

眼球腫瘍が確定した場合は、眼球摘出術を適用することが推奨されています。術後に眼瞼周囲の皮膚が眼窩部へ陥凹/陥没し、その外貌が気になる場合は、眼球摘出後の眼窩にシリコン義眼を挿入することも考慮します。
眼球外に腫瘍が浸潤しているような症例に対しては、眼窩内容除去術が適用されますが、このような症例では術後に眼窩部へ義眼を挿入することは控えます。眼窩内容除去術適用症例では、局所再発の可能性があるため、実施可能であれば術後の放射線療法、もしくは化学療法が有効な腫瘍では化学療法の適用を考慮します。
眼球摘出術・眼窩内容除去術を適用するまでの間、角膜の乾燥などを予防するために抗菌薬や角膜保護薬の点眼を考慮することもありますが、一時的な対症療法でしかなく、根本的な治療とはなりません。
眼球にリンパ腫が転移・浸潤している場合は、その程度によっても異なりますが、眼球摘出術を考慮します。さらに術後は化学療法の適用を考慮します。

予後

腫瘍が眼球外に浸潤しておらず、かつ遠隔転移も存在しなければ、眼球腫瘍の予後は比較的良いと考えられています。しかし、遠隔転移の評価は必ず定期的に行うべきとされています。一方、腫瘍が眼球外に浸潤している場合は、眼窩内容除去術ですべての腫瘍細胞を摘除しきれていないこともあるため、その予後には注意が必要となります。

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