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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の膣脱とは

膣壁全体が外部に出てしまう病気です。

膣脱とは、膣壁全体が外部に出てしまう病気です。多くの場合は発情期に見られますが、物理的な原因によって見られることもあります。

犬の膣脱の症状とは

膣壁全体が外部に出てしまいます。

膣脱の臨床症状としまして、膣壁全体の脱出があります。膣脱の初期の場合は、ピンクの膣が脱出している状態ですが、徐々に赤くなったり、出血することがあります。膣脱になった犬は、膣を気にして舐めたり噛んだりしてしまうことが多いです。脱出した膣は傷つきやすく、脱出部の感染や損傷などから膣炎を起こすこともあります。
膣または外陰部の解剖学的異常がある場合、交配は成立しません。膣脱は陰茎を挿入することができないため、正常な交配が困難となり、メスの不妊症の原因となる場合があります。

犬の膣脱の原因とは

エストロジェンの作用によって発症することがあります。

犬の膣脱は、エストロジェンの作用によって膣壁が異常に過形成を起こして膣の全体または一部が脱出してしまいます。発情前期から発情期に見られ、2週間以上続く場合があります。エストロジェンの作用によって見られる膣脱は、発情が終了すると自然に退縮しますが、再び発情がくると繰り返して発現することが多いとされています。

物理的な原因によって発症することがあります。

分娩時の過度の陣痛、交配しているオスとメスを強制的に分離したとき、不釣り合いに大きいオスと交配したとき、便秘によって起こる腹部の緊張、などが原因となる場合があります。このような場合は自然に退縮することは難しいとされています。

犬の膣脱の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

膣脱はボクサーに多いとされており、遺伝的な要素があると考えられています。また、ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパード、セントバーナード、ブルドッグ、マスティフ、ラブラドールレトリバーなどの若い大型犬でもよく見られるため注意が必要です。

犬の膣脱の予防方法について

早期発見、早期治療および避妊手術をおこないます。

物理的な原因によって発症する膣脱の場合、交配しているオスとメスを強制的に分離しない、不釣り合いに大きいオスと交配しない、などを気をつけることで予防できます。それでも発症してしまった場合は、早期発見、早期治療をおこないましょう。
発情期に見られるエストロジェンの作用によって発症する膣脱の場合、発情期が終わることで自然に退縮しますが、避妊手術を受けることで予防できます。

犬の膣脱の治療方法について

エストロジェンの作用による膣脱

発情期のエストロジェンの作用によって見られる膣脱は、発情が終了すると自然に退縮しますが、再び発情がくると繰り返して発現することが多いとされています。そのため、根本的な治療をおこなうためには、避妊手術が必要になります。
膣を気にして舐めてしまう場合は、エリザベスカラーを装着して膣を舐めないようにしたり、脱出した膣を清潔に保ち抗生物質の軟膏を塗布することもあります。

物理的な原因による膣脱

物理的な原因によって引き起こされた膣脱は、自然に退縮することはありません。そのため、患部を洗浄し、潤滑剤を塗布して元通りにします。その際、必要に応じて全身麻酔をかけます。尿道開口を確保するため、尿道カテーテルを留置し、状態が落ち着いたら開腹手術をおこなって腹腔に縫い付けることもあります。また、膣から脱出した組織が壊死を起こしている場合は、壊死している箇所を切除する必要があります。
便秘などの膣脱を起こす原因疾患が認められる場合は、原因疾患の治療を併せておこないます。

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