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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の重症筋無力症とは

神経筋伝達の異常による骨格筋虚弱を呈する疾患です。

重症筋無力症は、後天性のものと先天性のものがあります。先天性の重症筋無力症は、神経筋接合部における自己免疫性疾患であり、神経筋伝達の異常に起因した骨格筋虚弱を呈する疾患です。後天性の重症筋無力症は、神経筋接合部の構成要因に関連している遺伝子の変異により、神経筋接合部・伝達に異常を呈する疾患です。

犬の重症筋無力症の症状とは

症状の発生部位により分類されています。

後天性重症筋無力症は、臨床症状の発現部位と程度により限局性重症筋無力症、全身性重症筋無力症、劇症型重症筋無力症の3つに分類されます。

限局性重症筋無力症は、肢の虚弱を伴わない嚥下障害、吐出あるいは顔面の虚弱がみられます。全身性重症筋無力症は、嚥下障害、吐出を伴う、あるいは伴わない全身性の四肢虚弱を特徴とします。
重症筋無力症でもっとも一般的な症状は、巨大食道症を伴う全身虚弱(全身性)および巨大食道症のみ(限局性)とされています。頻繁な吐出を伴う巨大食道症の急性発症は一般的にみられます。

劇症型重症筋無力症は、急性の全身性虚弱および呼吸筋虚弱による呼吸不全を引き起こす全身性の重症筋無力症です。

 

 

 

 

犬の重症筋無力症の原因とは

後天性のものと先天性のものがあります。

後天性重症筋無力症は、神経筋接合部における自己免疫性疾患であり、骨格筋のニコチン性アセチルコリン受容体に対して自己抗体が産生されることにより、神経筋伝達の異常が発生します。
先天性重症筋無力症は、神経筋接合部の構成要因に関連している遺伝子の変異が原因となり、神経筋接合部の伝達に異常をきたします。

 

先天的にアセチルコリン受容体やアセチルコリンに関係するいくつかの物質が欠乏していることにより引き起こされる疾患です。

犬の重症筋無力症の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

先天性の重症筋無力症は、ジャックラッセルテリア、スムースフォックステリア、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどで報告があり、多くの場合は8週齢までに臨床症状が見られるようになります。

後天性の重症筋無力症は、スコティッシュテリア、チワワなどでリスクが高く、ジャーマンシェパード、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどでも見られます。

 

 

犬の重症筋無力症の予防方法について

発症の予防方法はありません。

重症筋無力症の発症の予防方法はありません。重症筋無力症に起因する吸引性肺炎に対しての積極的な予防および治療が重要となります。

犬の重症筋無力症の治療方法について

投薬治療、吸引性肺炎の治療をおこないます。

神経筋伝達の改善、支持療法、免疫抑制が治療の目標となります。長時間作動型抗コリンエステラーゼ阻害薬の使用により、治療開始数日以内に筋力の改善が認められることが多いとされています。

吸引性肺炎を併発している場合は、抗菌薬、ネブライザー療法、酸素療法が必要となります。また、必要に応じて、輸液療法や栄養補助をおこないます。食事の際は、頭を上げた状態での食事、巨大食道症が存在する場合は胃瘻チューブ、経鼻胃チューブ、食道瘻チューブなどの設置が必要となることがあります。

歩行不可能な四肢不全麻痺あるいは四肢麻痺を呈する場合は、呼吸筋力を注意深く観察する必要があります。横臥状態の場合は、体位変換を2~4時間ごとにおこないます。褥瘡が見られるような場合はその治療をおこないます。

予後

後天性重症筋無力症の自然寛解は比較的よく見られます。とくに咽頭や食道に障害が残っていない後天性重症筋無力症の予後は良好とされています。自然寛解は後天性重症筋無力症罹患犬の約90%で生じるとも報告されており、それらは抗コリンエステラーゼ阻害薬療法のみで平均6.3か月で寛解に至ったとされています。しかしながら、嚥下困難や吐出を呈する場合は、吸引性肺炎の発生・併発がよく見られ、1年生存率が40~60%程度になるため、注意が必要です。
急性劇症型重症筋無力症の場合は、呼吸不全および吸引性肺炎の急速な発症により、予後は要注意~不良であり、多くの場合は呼吸不全により死亡すると報告されています。

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