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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の急性胃腸炎とは

急性に起こる消化器症状の総称です。

胃や腸の粘膜に急性の炎症が起こると、嘔吐や下痢などの消化器症状が現れます。
これらを総称して急性胃腸炎と呼びます。
胃だけに炎症がある場合には主に嘔吐や食欲不振が見られ、腸に炎症が起こった場合には主に下痢症状が見られますが、どちらが先に起こっても炎症が波及すると両方の症状が現れます。

急性胃腸炎を起こす原因は様々で、異物の摂取や食事に対する過敏反応、細菌感染、過度のストレスなどが原因となることがあります。

急性胃腸炎は通常一過性で、消化器症状に対する対症療法で多くは1~2日前後で改善傾向が見られます。
治療に全く反応しない、または症状が繰り返される場合には、潜在的な病変があることが疑われるため、より詳細な検査が必要になります。

猫の急性胃腸炎の症状とは

嘔吐や下痢が見られます。

急性胃腸炎では、急性に嘔吐や下痢症状が見られます。

・嘔吐
・下痢
・元気消失
・食欲不振
・腹痛
・黒色便
・血便
・粘液便
・しぶり(便が出ないのに何度も排便姿勢をとる)

腹痛がある場合にはうずくまって動かないことが多く、お腹を触られるのを嫌がります。

血便は大腸の炎症によって出血があるときに見られ、胃や小腸の出血があるときには吐物に血が混ざる、あるいは黒色便が見られます。

体の小さな子猫では、嘔吐や下痢を繰り返すと容易に脱水症状に陥るため、より注意が必要です。

猫の急性胃腸炎の原因とは

不適切物の摂食でおこります。

腐敗物や中毒性植物などの摂食、異物の摂取などによって起こることがあります。
また食事に対する過敏反応や急激な食事変更の結果としても起こります。

感染症が原因のことがあります。

多くの腸炎は細菌感染や寄生虫症、ウイルス感染が原因となり起こります。
特に子猫で起こるパルボウイルス性の腸炎は重篤化しやすく、重度の血便・脱水などがおこり、同居猫がいる場合には全頭に感染する可能性が高いため要注意です。

投薬やストレスも原因となります。

治療として服用している薬剤(ステロイドや非ステロイド性消炎鎮痛剤など)の副作用として消化器症状を発症することがあります。

その他にはストレスによっておこる胃腸炎もあります。
新しい猫を飼った、引っ越しをした、家族構成が変わった、ペットホテルに預けた、など環境が大きく変わることに猫は素早く順応できません。
そのため過度のストレスによって急性の胃腸炎や膀胱炎を起こしてしまうことがあります。

猫の急性胃腸炎の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。

猫の急性胃腸炎の予防方法について

誤食に注意しましょう。

食中毒や中毒性植物、異物の誤食に気を付けましょう。
生ごみを悪戯して食べることがないように蓋つきのゴミ箱に捨てるなど片づけを徹底し、ユリなど猫に中毒を起こす可能性のある植物は部屋に置かないようにしましょう。

また、小さな子供のおもちゃやヒトの薬なども、床に落ちていると遊んでいるうちに飲み込んでしまう可能性があります。
猫の手の届かない場所に片づけるようにしましょう。

食事の変更はゆっくり行いましょう。

食事に対するアレルギー反応や食物不耐性の発生を予防するために、食事内容を変更する際にはもともとの食事をベースに少量ずつ新規のフードを混ぜ、消化器症状が出ないことを確認しながら徐々に変更するようにしましょう。

感染症を予防しましょう。

感染症を予防するために、ワクチン接種を定期的に受け、様々な感染症を持っている可能性のある外猫との接触を断つために室内飼育を徹底するようにしましょう。

猫の急性胃腸炎の治療方法について

対症療法を行います。

急性胃腸炎の治療では、吐き気や下痢を抑えるために、吐き気止めや胃粘膜保護剤、下痢止め、整腸剤などを投与します。
嘔吐症状が強い場合には、薬を服用することが難しいため、注射薬で投与します。
また脱水を改善し体調を整えるために点滴も行います。

食欲がない子猫では低血糖に陥ってしまうのを予防するために、吐き気止めを使用しながらブドウ糖液などを少量ずつ飲ませます。

急性胃腸炎では通常は1~2日で症状が改善します。

原因に対する治療を行います。

感染症が原因の場合は、その原因に応じた抗菌薬や駆虫薬などを投与します。
パルボウイルスなどのウイルス性の場合には、体の免疫力を高めるためにインターフェロンなどを使用します。

中毒性物質や異物の摂取原因の場合は、状況に応じて催吐処置や異物の摘出を行います。
毒性のあるものを口にして、催吐処置が間に合わなかった場合には、静脈点滴をしながら吸着剤などを飲ませて毒物の吸収をできるだけ抑制し、体から排泄されるのを待ちます。

食事変更が原因と考えられる場合には食事を一旦元に戻し、症状が落ち着いてから食事変更について再度検討します。

猫に過度のストレスがかかって発症したと考えられる場合には、ストレスを取り除く、あるいは軽減することが必要です。
同居猫が増えた、赤ちゃんが生まれた、などという変化は、猫によっては重大なストレスになります。
はじめは生活環境を分け、先住猫が落ち着いて休める場所を確保し、できるだけ飼い主さんがスキンシップを取ってあげることでストレスを緩和してあげましょう

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