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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の膝の前十字靱帯断裂とは

膝の靭帯が切れる疾患です。

前十字靭帯が完全もしくは部分的に断裂する疾患です。この靭帯は、大腿骨(膝の上の骨)と脛骨(膝の下の骨)を前方で繋ぎとめ、膝関節の安定性を担っています。

前十字靭帯が切れてしまうことで、急に発生し持続する後肢の痛み、挙上が症状としてみられます。前十字靭帯断裂は半月板損傷を併発することが多く、これらの関節のダメージの蓄積により老化性に骨関節炎を続発します。

犬の膝の前十字靱帯断裂の症状とは

後肢の痛み、歩行困難がみられます。

前十字靭帯の断裂は徐々に進むものではありません。運動での負荷などの何かしらのきっかけにより、一気に断裂することで突然の後肢の痛み、接地を避けて挙上するなどの症状が現れます。逆に慢性疾患である骨関節炎や、腫瘍性疾患では進行度合いに差はありますが徐々に痛みが現れる傾向があります。

前十字靭帯が切れてしまうことで、膝の関節は不安定になり大腿骨端と脛骨端が強くぶつかり合うようになります。その結果、膝のクッション性を担う軟骨組織の一部である半月板が損傷します。

前十字靭帯の断裂による膝の関節の不安定性や、半月板損傷による炎症は膝関節を慢性の炎症状態に陥らせます。その結果、加齢性の関節の炎症、損傷である骨関節炎が引き起こされ、老後のQOLの低下を引き起こします。

犬の膝の前十字靱帯断裂の原因とは

加齢性変化、変性性変化、外傷性などの原因があります。

前十字靭帯にあらかじめ加齢性変化や変性性変化が生じることで前十字靭帯の強度が低下し、強度以上の力がかかることで断裂が起きます。膝蓋骨脱臼、免疫介在性関節炎、副腎皮質機能亢進症、糖尿病などの関連性も疑われています。
原因によっては、両側性に発生することがあります。

犬の膝の前十字靱帯断裂の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

大型犬で多い疾患であり、ロット・ワイラーが好発犬種として知られています。小型犬では膝蓋骨脱臼から前十字靭帯断裂に続発することがあり、膝蓋骨脱臼の好発犬種は高リスクであると考えられます。また、肥満症による体重増加もリスク因子であり、柴犬やミニチュア・シュナウザーなどの太りやすい犬種でも注意が必要です。

犬の膝の前十字靱帯断裂の予防方法について

肥満症を予防する、後肢の疾患をケアすることで予防します。

食事管理をしっかりすることで肥満を防ぎ、前十字靭帯への体重による負荷を下げることでリスクを低下させることができます。

後肢になんらかの疾患がある犬を激しく運動させないことも重要です。しかし、ある程度の運動強度は身体の健康を維持するために必要なため、かかりつけの獣医師と相談して運動メニューを考えましょう。

犬の膝の前十字靱帯断裂の治療方法について

外科的に前十字靭帯を整復します。

外科的に前十字靭帯を整復する方法と、断裂部位を広げない、または間接への負荷を抑えることを目的とした保存療法があります。

外科的な治療法では前十字靭帯断裂に対しては根治を狙うことができますが、一方高額な手術代金や、麻酔リスクなどを考え見て行う必要があります。

保存療法ではゲージレストや運動制限、食事療法での体重管理、関節の炎症を抑えるための投薬などを行います。

犬のQOLを考えると手術はおこなったほうがベストですが、体調や病状の程度などの様々なファクターで実施の有無は考慮するべきです。獣医師と相談の上、治療方針を決定することが重要です。

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