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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の眼瞼腫瘍とは

眼瞼に発生する腫瘍です。

眼瞼腫瘍は、犬の眼瞼に発生する腫瘍であり、よく遭遇する疾患の1つです。

犬の眼瞼腫瘍の症状とは

結膜炎や角膜炎を引き起こすことがあります。

眼瞼に腫瘍が発生することで、物理的な刺激により結膜炎や角膜炎を引き起こすことがあります。結膜の充血、流涙、眼脂、羞明などの臨床症状が認められることがあります。

通常、犬の眼瞼腫瘍は視診で確認し、確定診断は切除生検材料を用いた病理組織学検査で行います。しかしながら、外観から悪性の腫瘍が疑われたり、良性か悪性かの区別がつきにくい場合は、細針吸引生検(FNA)を実施して病理組織学検査を行います。そのうえで最適な治療方法を選択します。

犬の眼瞼腫瘍の原因とは

多くの場合は良性腫瘍です。

犬の眼瞼腫瘍のほとんどが良性のマイボーム腺/皮脂腺腫で、腺癌はわずか2%とされています。マイボーム腺/皮脂腺腫以外の眼瞼腫瘍としましては、乳頭腫、良性の黒色細胞腫、悪性黒色腫、組織球腫、肥満細胞腫、扁平上皮癌、基底細胞腫などが挙げられます。また、眼瞼結膜からは悪性黒色腫、腺腫、線維腫、線維肉腫、血管腫、血管肉腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、リンパ腫、肥満細胞腫、ウイルス性乳頭腫などが発生する場合があります。
霰粒腫は非腫瘍性の肉芽腫性病変ですが、腫瘍と誤認させることが多いため、眼瞼腫瘍と霰粒腫の鑑別が重要になります。

犬の眼瞼腫瘍の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

眼瞼腫瘍の好発犬種としましては、アメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカースパニエル、シーズー、シベリアンハスキー、ビーグル、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどが挙げられます。

犬の眼瞼腫瘍の予防方法について

予防方法はありません。

眼瞼腫瘍は腫瘍性病変であるため、発症の予防は難しく、早期発見・早期治療が重要になります。

犬の眼瞼腫瘍の治療方法について

外科的切除

眼瞼腫瘍の治療方法は、外科的切除が第1選択となります。一般的には、腫瘤病変の正常部位を1~2mm含めて外科的に切除します。眼瞼の悪性黒色腫では、外科的マージンを15m程度は確保すべきとされています。また、結膜の悪性黒色腫は、口腔内の黒色腫同様、悪性度の高い腫瘍であるため、10~15mmの十分な外科的マージンを確保して切除する必要があります。眼瞼欠損部が眼瞼の長さの1/3に及ぶ場合は、再建的眼瞼形成術が必要になることもあります。多中心型リンパ腫が結膜に浸潤することがありますが、この場合は診断を確定して化学療法で治療します。肥満細胞腫の場合は、10~15mmの十分な外科的マージンを確保して切除する必要があります。

外科的切除以外の治療方法

外科的切除以外の対応方法としましては、腫瘍の冷凍凝固術やCO2レーザーなどを使用した腫瘍の蒸散術、もしくはこれらと放射線療法を組み合わせた治療を適応することもできます。しかしながら、術後の再発率や放射線障害などのことを考慮すると外科的切除が第1選択となると考えられています。
外科的切除が適用できない場合や外科的切除までの間は、ヒアルロン酸等を含有する角膜保護剤の点眼薬を1日4回程度投与します。しかしながら、この処置は対症療法に過ぎず、眼瞼腫瘍に伴う角膜障害等を確実に防止し得るものではありません。

予後

眼瞼腫瘍の外科的切除後の予後は良好であると言えます。しかしながら、眼瞼の悪性黒色腫で外科的切除後に再発が認められた場合の予後は注意する必要があります。また、結膜の悪性黒色腫は、大きさが5mm以下の時点で完全切除ができれば予後は良いですが、それ以上の大きさで十分な外科的マージンを確保したにもかかわらず再発した場合の予後は注意しなければなりません。十分な外科的マージンが確保できない肥満細胞腫の予後は注意が必要です。リンパ腫は、全身的な寛解が得られれば眼瞼部の腫瘍も寛解します。

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