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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の特発性膀胱炎とは

猫の下部尿路疾患の多くは特発性膀胱炎です。

猫は寒さの増す秋から冬にかけて頻尿や血尿などといった膀胱炎症状を示すことが多いですが、その中で最も多いのは「特発性膀胱炎」です。

尿中に結晶が認められるあるいは細菌感染などが認められるなどといった明らかな原因が認められず、原因が特定できない膀胱炎を特発性膀胱炎と呼び、その発症にはストレスが大きく関与しているとされています。
膀胱炎の結果としてトイレ以外の場所で排泄してしまうことなどがあり、尿検査では異常が見られないことから問題行動として誤って診断されることもあります。

猫を取り巻く環境が大きく変わったり、猫に強いストレスがかかった場合には特発性膀胱炎を発症することがあるため、特に神経質な性格の猫の場合は落ち着いて排泄できるように環境を整えてあげましょう。

猫の特発性膀胱炎の症状とは

膀胱炎症状がみられます。

特発性膀胱炎では他の膀胱炎と同様、以下の様な症状を示します。

・頻尿
・血尿
・有痛性排尿
・失禁(トイレ以外での排尿)
・排尿姿勢をとるが尿が出ない
・陰部をしきりに舐める

排尿のストレスは食欲不振や元気消失など、全身状態の変化にもつながることがあります。

猫の特発性膀胱炎の原因とは

ストレスが主な原因と考えられています。

引っ越しや来客、新規の猫を迎えるなどといった大きなストレスがかかった場合や、猫自身が元々神経質な性格である場合、特発性膀胱炎が起こりやすくなります。

生活環境が大きく影響します。

多頭飼育している場合や、水分の少ないドライフードだけを食べていることは特発性膀胱炎のリスクファクターになると考えられています。
また、運動を普段からあまりせず、肥満傾向であることも要因の一つです。

トイレの環境が悪い場合にも起こりやすくなります。

飼育頭数に対してトイレの数が少ない、トイレをこまめに掃除せず汚れた状態になっている、ヒトが頻繁に出入りする場所や大きな音がする場所にトイレが設置してある、などといった状態では、猫が落ち着いて排泄することができず膀胱炎を発症する可能性が高くなります。

猫の特発性膀胱炎の好発品種について

全猫種で好発します。

どんな猫でも起こります。
割と若い猫から中年齢の猫での発生率が高い疾患です。

猫の特発性膀胱炎の予防方法について

適度に水分を摂取させましょう。

水分摂取量は尿量に大きく影響します。
尿量が少ないと、濃縮された濃い尿が膀胱内に貯留することになり、また尿で膀胱内を洗い流す回数が減ることから、膀胱炎の発症率が高くなります。

ドライフードのみの食生活は特発性膀胱炎のリスクを上げるため、新鮮な水をいつでも飲めるように水をこまめに汲み替えたり、ウェットフードを混ぜた食事を与えることで水分を積極的に摂取させるようにしましょう。

ストレスがかかりにくい生活環境を整えましょう。

元々神経質な性格の猫は、来客があっただけで隠れてしまい、トイレも我慢して膀胱炎を発症しやすくなってしまいます。
そのような猫を飼っている場合には、できるだけ来客と猫が顔を合わせないように隠れる場所を作るなど工夫しましょう。

トイレは大きな音のする洗濯機などの近くに置くことは避け、人目につきにくい、落ち着いた場所に設置してあげましょう。

多頭飼育の場合はトイレの数を十分用意しましょう。

多頭飼育の場合、トイレの数は猫の頭数+1つ以上設置するようにしましょう。
また、トイレのサイズが合っているかどうかチェックし、小さければ大きいものに交換してあげましょう。

猫の特発性膀胱炎の治療方法について

多くは投薬治療は必要ありません。

特発性膀胱炎は特に治療を行わなくても数日~数週間ほどで自然に改善します。
しかし、その間は排尿ストレスによって食欲不振や活動性の低下など生活の質が非常に低下してしまいます。

まずは膀胱炎の原因となる他の原因を除外するために尿検査や超音波検査、レントゲン検査などを行います。
尿石症や細菌感染、膀胱腫瘍などが除外されたら、症状を改善させるために消炎剤の投与や水分補給のために点滴などを行うことがありますが、劇的な効果は得られないことが多いのが実際です。

根本的には以下のようにストレスに対する対策をとることが重要です。

ストレスの原因を特定し、可能であれば除去します。

特発性膀胱炎の最も効果的な治療方法はストレスの原因を特定して除去することです。
しかし、それは最も難しく、時には除去することができない場合もあります。

その場合には猫の精神状態を安定させるために猫のフェイシャルホルモンや、ストレス軽減効果のあるサプリメントを使用してみます。

それでも長期にわたってストレス状態が改善しない場合には精神安定剤の一種を使用しなければならないケースもあります。

生活環境を整えます。

多頭飼育の場合はトイレの数を増やす、仲の悪い猫同士は生活環境を分ける、隠れる場所を作る、高い場所に登れるようにキャットタワーなどの設置を検討するなど、猫のストレスを軽減・発散できるような環境を作り、症状の改善を目指します。
積極的に遊んであげることでストレスを発散させてあげることも効果的です。

食事療法も行います。

再発を繰り返す場合には食事の変更を検討してみましょう。
尿石症の動物用のフード同様に、特発性膀胱炎に対する療法食も各社から販売されています。
これらのフードには「加水分解ミルクプロテイン」や「トリプトファン」など、精神状態を安定させるのに役立つ成分などが配合されており、この食事を食べることで再発率が低下するという報告もあります。

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