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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の破歯細胞性吸収病巣とは

猫の歯が溶けていく病気です。

猫の歯茎が赤くなっている時、歯肉炎・歯周病やウイルス性疾患による口内炎を起こしていることを疑うことが多いですが、それらとは別に歯が溶けたように破壊され、それに伴って歯肉に炎症を起こしていることがあります。
それは破歯細胞性吸収病巣というものです。

歯石などの汚れがほとんどついていない歯でもおこることがある歯の病気で、歯の付け根あたりから歯が溶けたように吸収されて細くなってしまう病気です。
病変部は腫れた歯肉に覆われて隠れていることが多く、気づかれないまま溶けて細くなった歯は固いものを噛んだ際に付け根から折れてしまうこともあります。

発症すると進行を止めることはできず、数年かけて徐々に歯を失っていきます。
猫は歯がなくなっても食事はできるのですが、吸収される過程で歯肉に強い炎症を起こしたり、歯周病を伴ったりすると痛みで食事がとれなくなってしまうことがあります。

猫が口を気にしていたり食べづらそうにしている時は、病院で口腔内をチェックしてもらい、原因に応じた正しい治療を行うことが必要です。

猫の破歯細胞性吸収病巣の症状とは

歯茎が赤く腫れたり口を痛がる様子が見られます。

破歯細胞性吸収病巣の症状は、歯周病や口内炎の症状とほぼ同じです。
中にはほとんど症状を示さない場合もあります。

・歯茎が赤くはれている
・食べるときに痛みがある
・食事に時間がかかるようになる
・口を気にする様子が見られる
・涎を垂らす
・口臭が強い
・食欲の低下

特徴的な変化は、歯の付け根付近(歯茎との境目辺り)に虫歯のように穴が開いたり、細くなった付け根から歯が折れてギザギザになっている、といったものですが、多くの場合は歯肉が赤く肉芽のように盛り上がって病変部を隠してしまうため、パッと見ではわからないことも多くあります。

猫の破歯細胞性吸収病巣の原因とは

破歯細胞が異常に働くことで起こります。

破歯細胞性吸収病巣は、歯を壊す「破歯細胞」という細胞が歯の付け根から歯を溶かして吸収していくことによっておこります。
破歯細胞は、本来は永久歯が生えるときに乳歯を溶かす役目を持つのですが、なぜ永久歯を溶かしてしまうのかはわかっていません。

猫の破歯細胞性吸収病巣の好発品種について

好発する品種はありません。

好発品種は特にありません。

猫の破歯細胞性吸収病巣の予防方法について

効果的な予防方法はありません。

破歯細胞性吸収病巣を発症するメカニズムはまだ分かっておらず、効果的な予防方法はありません。
また、進行を抑える方法も見つかっていません。

猫の破歯細胞性吸収病巣の治療方法について

抜歯が必要です。

破歯細胞性吸収病巣の根本的な治療方法は抜歯です。
痛みや炎症を抑えるために消炎剤などを投与することもありますが、効果は限定的です。

治療に先立ってレントゲンを撮り、歯の状態や歯根の状態をチェックします。
歯冠部の付け根が溶けて折れたりしたことで表面的に歯がなくなっているように見えても、歯根が残っているためにその周囲に炎症を起こしている場合も多いため、必要に応じて歯根部を抜歯します。

抜歯をするとほとんどの場合は炎症が治まります。
状態によってはすべての臼歯を抜歯する全臼歯抜歯や、全抜歯が必要になるケースもありますが、抜歯後の歯茎の炎症が落ち着いた後は、多くの場合は歯がなくてもドライフードを食べることができるようになるまで回復します。

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