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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の白内障とは

水晶体が白く濁る病気です。

白内障は、「水晶体」という眼の中にある透明なレンズの部分が白く濁ってしまう病気です。
ヒトや犬では老齢性にみられることが多い他、糖尿病などの合併症としても知られる病気です。

猫ではヒトや犬ほど多くはありませんが、特定の品種や、外傷の結果あるいは糖尿病の猫などで時々見られます。
進行すると視界に白く靄がかかったようになり見えにくくなるため、物にぶつかったり段差で転んだりということが増えます。

手術で治療できますが、眼の中の手術は専門性が高く、手術の前に視覚が維持されているかどうか精密な検査が必要になるため、専門医への受診が必要になります。

猫の白内障の症状とは

視覚障害が現れます。

白内障の症状は主に視覚障害です。

瞳孔の奥には、水晶体という透明なレンズがあり、物を見るときはそのレンズを通して光や物の形が網膜に届き、物の形や色を認識します。
白内障はそのレンズが白く濁ってしまう病気です。
カメラのレンズがくもってしまったような状態といえばイメージしやすいでしょうか。
周りが明るいか・暗いかの違いはわかりますが、視野に白いスクリーンがかかったようになり、物が見えづらくなります。

初期には、見た目には眼の変化はあまりわかりません。
症状としては、暗い部屋で物にぶつかりやすくなるといった変化がみられます。
しかし、片目だけが罹患している場合、もう片方の目で機能を代償でき、さらに犬や猫は視覚以外にも嗅覚・聴覚などの感覚器が優れているために、初期には周りから見て見えづらさがあることには気づかれないことがほとんどです。

進行すると、瞳孔の奥が白く濁っているのが見てわかるようになってきます。
濁りの増加に伴い見えづらさが強くなると、物にぶつかったり、小さな段差に気づかずに躓く・転ぶ、飼い主さんと目が合わなくなる、高いところにのぼらなくなる、などといった変化が徐々に顕著になります。

さらに進行すると、白く濁った水晶体が溶け出して、再び透明になります。
この時、視覚は一時的に回復しますが、溶けた水晶体が炎症の引き金となり、ブドウ膜炎という状態になりやすいので、注意が必要です。
ブドウ膜炎を放置すると、やがて緑内障や網膜剥離を続発し、失明に至る場合もあります。

核硬化症との違いは眼科検査を受けなければわかりません。

同様に水晶体が白く濁って見えるものに核硬化症というものがありますが、核硬化症は老齢性の変化で、視覚には障害が出ません。
初期の白内障の診断や核硬化症との違いは、病院で眼科検査を受けなければわかりませんので、眼が白っぽいと感じたら一度病院で検査を受けましょう。

猫の白内障の原因とは

遺伝によっておこります。

水晶体が白く濁るのは、何らかの原因で水晶体のタンパクが変性することによります。

原因の一つは遺伝です。
バーマン、ペルシャ、ヒマラヤンなどの品種は、遺伝性に白内障になりやすいとされています。

他の病気の影響によっておこる白内障もあります。

基礎疾患として、糖尿病や低カルシウム血症(腎不全・上皮小体機能低下症など)、ブドウ膜炎などがあると白内障になりやすくなります。
特に糖尿病や腎不全は猫に多い病気ですので、そのような病気の治療中は眼の状態にも気を付けるようにしましょう。

外傷や外からの刺激によってもおこります。

ケンカなどで眼を傷つけたことが原因で起こる場合もあります。
特に猫は爪がとがっているため、角膜や強膜に穴が開くような傷を負ってしまうことがあります。
後に白内障を起こしてしまう可能性があるので、表面的な傷が治ったあとも眼の状態には注意しましょう。

放射線(放射線治療の後遺症)や感電による電気ショック、有害物質への暴露によっても白内障が起こることがわかっています。

猫の白内障の好発品種について

以下の猫種で好発がみられます。

バーマン、ペルシャ、ヒマラヤンなどの品種は白内障になりやすいと考えられています。

猫の白内障の予防方法について

糖尿病やケガに気を付けましょう。

効果的な予防方法は特にありません。

リスクを回避するために、糖尿病などにならないように健康管理に気を付けましょう。
多頭飼育の場合はケンカで眼を傷つける可能性もあるので、こまめに爪を切っておくのも予防策になるかもしれません。

健康診断で眼のチェックもしてもらいましょう。

また、時々病院で健康診断を受けて、目の状態もチェックしてもらうことをお勧めします。
白内障を早期に発見できれば、目薬で少し進行を遅らせることができます。

猫の白内障の治療方法について

進行を遅らせる治療がメインです。

初期の場合、進行を抑制する点眼薬をつけて経過観察します。
点眼をしていても少しずつは進行してしまいますが、眼をこまめに見ることになり、変化があれば気づきやすいというメリットがあります。

進行抑制のために抗酸化作用のあるビタミンE製剤や、アスタキサンチン、ルテインなどを含むサプリメントを併用することもあります。

二次性のブドウ膜炎を予防・治療します。

進行に伴ってブドウ膜炎などが起こるリスクが高くなりますので、状態によってブドウ膜炎を予防・治療する消炎剤の点眼や内服薬が処方されます。

外科手術については眼科専門医とよく相談することが必要です。

根本的に治療する方法としては、外科手術を行います。
超音波乳化吸引術や水晶体摘出術といった方法があり、白く混濁した水晶体を超音波で溶かしながら吸引し、代わりに人工のレンズを入れたり、水晶体を切除する手術となります。

白内障の手術をする前には、本当に視覚が維持されているかどうかをあらかじめ検査して確認する必要があります。
既に網膜剥離が起こっている場合には手術をしても視力は回復しません。
また、手術には特別な機器や専門的な技術が必要なため、眼科専門医に紹介受診することとなります。

術後に合併症として緑内障や網膜剥離などを起こすリスクもあるため、本当に手術をすることが必要なのか、手術ができる状態なのか、よく相談したうえで治療に臨みましょう。

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