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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の骨肉腫とは

肢や関節の周囲に発生する悪性度の高い腫瘍です。

大型、超大型犬に多い悪性腫瘍です。主に四肢の骨に発生する、悪性度の高い腫瘍です。体軸骨格(下顎骨、上顎骨、脊椎など)に発生することもあります。治療のための外科的な断脚術をおこなうことがあります。高い確率で肺転移などを引き起こす予後不良の疾患です。

犬の骨肉腫の症状とは

肢のひどい痛み、腫れ、骨折などがみられます。

骨肉腫は、全体の75%は四肢に見られ、残りの25%は体軸骨格に見られます。四肢では前肢の方が後肢の2倍多く発生し、上腕骨近位、橈骨遠位が好発部位です。一般的には関節をまたいで発症することはありません。

骨肉腫の増大により、肢の強い痛みや腫れが見られます。骨が溶けるような症状を見せる場合は、感染による骨髄炎や骨折などの症状が見られます。大型犬や超大型犬において、歩様の変化、肢を地面につけたがらない、起立困難などの慢性、進行性の症状が見られる場合、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

骨肉腫は非常に転移しやすい腫瘍であり、肺転移、リンパ節転移、骨転移を引き起こします。そのため、肢の症状に気が付いたときに遠隔転移が起きている可能性が高い腫瘍です。

犬の骨肉腫の原因とは

遺伝的要因、成長による負荷などが原因です。

骨肉腫は骨をつくりだす骨芽細胞が癌化した悪性腫瘍です。
成長による急激な体重増加や、運動による負荷が大きい大型犬や超大型犬が好発犬種であることから、若齢時の骨造成(骨が成長する過程)で微小骨折を繰り返し、そのたび骨芽細胞が増殖し骨折を修復することを繰り返すことで、細胞分裂の回数が増え腫瘍化のリスクが高くなるという説があります。

犬の骨肉腫の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、シベリアン・ハスキー、ロット・ワイラー、セント・バーナード、グレート・デン、グレート・ピレニーズなどの大型犬、超大型犬が好発犬種です。

犬の骨肉腫の予防方法について

早期発見、治療をおこないます。

腫瘍性疾患であり、予防法はありません。

好発犬種に一定の傾向がある疾患であり、大型犬・超大型犬を飼育する際、肢のチェックを頻繁に行うことで腫瘍の早期発見に役立つと考えられます。また、動物病院での定期的な健康診断は外見上わかりにくい症状を、エックス線や超音波検査で発見できる可能性があります。

犬の骨肉腫の治療方法について

外科的切除、放射線療法、抗がん剤療法をおこないます。

外科的な処置が可能な状況であれば、腫瘍の切除をおこないます。断脚術、顎骨切除、肋骨切除など、大掛かりな手術が必要になります。手術が難しい場合、放射線療法をおこなうことがあります。放射線療法は、腫瘍の完全な排除は出来ませんが、一定の効果は期待出来ます。

体軸骨格に発生した骨肉腫は転移率は比較的低いと言えますが、四肢に発生した骨肉腫は断脚術などの局所治療のみでは90%以上が転移を起こすと言われています。そのため、手術後に抗がん剤療法をおこなうことが推奨されています。残念ながら根治することは出来ませんが、延命することは出来ます。

犬の余命について

抗がん剤療法を行ったとしても数カ月程度の延命しか望めない場合もありますが、犬にとっての数カ月は人にとっての数カ月よりずっと長い期間です。人にくらべ犬では4倍の速度で加齢すると言われており、たとえ1~2カ月の延命であっても、犬にとっては半年近く大好きな飼い主と一緒にいられます。できる限り美味しいものを食べさせて、できる限り楽しい時間を過ごせるようにさせてあげて下さい。犬にとって、飼い主と過ごすその時間が、かけがえのない大切な時間であると信じています。

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