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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の鼠径ヘルニアとは

腹腔内の脂肪や腸が鼠径輪から皮下に脱出した状態です。

ヘルニアとは、体内のある臓器が本来あるべき場所から脱出してしまった状態を指す言葉です。

鼠径部(後ろ足の付け根部分)に起こるヘルニアを鼡径ヘルニアといい、腹腔内の脂肪や腸、重度の場合は子宮や膀胱が鼠径輪という穴から脱出します。

軽度のヘルニアでは脂肪だけが脱出するため、特に症状はなく、やわらかい膨らみとして触知されるだけですが、ヘルニア輪が大きく、腸管が脱出している場合には、腸閉塞を起こす危険性があります。

また、妊娠や重度の便秘状態となり、腹圧が強くかかるような場合に、より多くの腸や腹腔内臓器が脱出してしまうことがあります。
大きなヘルニアがある場合には、問題が起こる前に手術でヘルニアを治してもらいましょう。

猫の鼠径ヘルニアの症状とは

多くは無症状です。

ヘルニアがあっても、脂肪が脱出しているだけの場合には全く症状はありません。
鼠径部にやわらかい膨らみとして触知され、指で押すと、中の脂肪をお腹の中に戻すことができます。

ヘルニア輪が大きい場合や腸管が脱出している場合は注意が必要です。

ヘルニアの起こっている部分に開いている穴をヘルニア輪といいますが、ヘルニア輪が大きい場合は注意が必要です。
腸管が脱出してしまうことがあり(脱腸)、脱出した腸が多いとヘルニア輪でその付け根が締め付けられ、腸閉塞や腸の壊死を起こします。(嵌頓ヘルニア)

強い腹圧がかかる状態(便秘時や妊娠時)の時に、ヘルニア輪が広がり、より多くの腹腔内臓器(子宮や膀胱)が脱出してしまうことがあります。
膀胱脱が起こると排尿障害が起こります。

腸閉塞を起こした場合には急性の症状が出ます。

・嘔吐
・食欲不振
・ヘルニア部の硬結
・ヘルニア部の熱感、痛み
・元気消失
などが起こり、緊急手術が必要です。

猫の鼠径ヘルニアの原因とは

先天性です。

鼠径ヘルニアの多くは、先天性です。

鼠径ヘルニアは、後ろ足の付け根にある鼠径管(オスでは精索や血管、メスでは子宮につながる靭帯の通り道)から、腹腔内の脂肪や臓器が脱出して、ヘルニア嚢という袋を作っています。
通常は片側に起こりますが、両側に起こることもあります。

遺伝などの関与も示唆されていますが、詳細は不明です。

後天性にもおこります。

交通事故や落下などの外傷によっておこる場合もあります。
外傷性のヘルニアは鼠径部に限らず、お腹の筋肉に裂け目が生じて起こる腹壁ヘルニアとしても起こります。

猫の鼠径ヘルニアの好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。

猫の鼠径ヘルニアの予防方法について

予防方法はありません。

鼠径ヘルニアの多くは先天性に起こるので、予防する方法はありません。

ヘルニアの膨らみは子猫の時から確認することができますので、経過をよく見て、必要があればすぐ治療ができるように心がけましょう。

また、外傷を予防するという意味では室内飼育の方がリスクは低いといえます。

猫の鼠径ヘルニアの治療方法について

手術で整復します。

鼠径ヘルニアを治す方法は外科手術です。
ヘルニア嚢に入り込んでいる腸や脂肪を腹腔内に戻して、ヘルニア嚢の付け根を縫い縮めて閉じます。

穴が小さく、たまに脂肪が出ては戻る、という程度であれば、あえてそこを修復するためだけに手術することは少なく、経過観察し、避妊手術や去勢手術の際に一緒に整復することが多くなります。

一方、腸管が出ている場合や、以前より膨らみが大きくなった、ヘルニア輪が大きくなったという場合には、将来的に腸閉塞や子宮脱、膀胱脱につながる可能性が高いので、予防的に早めに手術します。

嵌頓ヘルニアとなり、腸閉塞が生じた場合は緊急手術が必要です。
嵌頓した腸は血行障害によって壊死してしまうので、その部分を切除し、腸と腸をつなぐ手術が必要になります。
腸閉塞を起こしてしまうと痛みや吐き気などを生じ、全身状態も非常に悪くなってしまいます。

鼠径ヘルニアがある場合は、一度病院で診察してもらい、手術をした方がいいのかどうか見てもらいましょう。

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