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トリマー
坂本 はるか
犬にも生理がある?人間との違いや周期を解説

犬にも生理がある!人間との違いとは?

メスの犬には、人間と同様に生理があります。しかし、人間と生理と犬の生理とでは、内容や症状が異なります。

人間の生理は、受精しなかった卵子を子宮内膜とともに、約1ヶ月に1度の周期で体外へ排出することを指します。一方、犬の生理は、「ヒート」とも呼ばれ、発情をしているときにみられます。主に発情期の前半に出血がみられることが多く、子宮内膜が充血することで起こります。

生理の症状

では、実際に生理になった犬には、どのような症状があらわれるのでしょうか。生理周期に分けて紹介します。

・生理前
生理が始まる1ヶ月ほど前から、陰部の腫れがみられます。また落ち着きがなくなり、うろうろと動き回る犬もいるようです。

・生理中
生理が始まると、陰部から出血があります。犬の様子にも変化があらわれ、食欲や元気がいつもよりなくなる場合もあります。また、出血を気にして陰部を舐めたり、いつもより頻尿になったりなどの症状がみられるのが特徴です。

・生理後
陰部からの出血がみられなくなったら、発情期間が終わりに近づいているサインです。この頃になると、プロゲステロンというホルモンが分泌されます。プロゲステロンの影響で、妊娠の有無にかかわらず、排卵後40日頃に、乳腺の発達がみられ、排卵後60日には、母乳が出る犬もいます。またホルモンの影響を受けて、ぬいぐるみなどを寝床に持ち込み、守るような仕草をみせる偽妊娠の症状があらわれることもあるようです。

生理の期間

犬の発情は、個体差がありますが、生後6~18カ月頃に始まります。生理が始まる時期は小型犬の方が早く、大型犬は生後10カ月以降に始める犬が多いのが特徴です。

一度生理が始まると、7~10日ほど出血が続きます。出血量にも個体差があり、少量の出血ですむ犬は自分で舐めとってしまうため、飼い主が生理に気づかないこともあります。

犬には6~10カ月の発情周期があり、発情周期に合わせて生理になります。そのため陰部からの出血は、多くの犬の場合、半年に1度のペースで起こるとされています。

生理中の犬に飼い主ができること

生理中の犬は、ホルモンバランスが乱れ、そわそわと落ち着きなく歩いたり、元気がなくなったりといつもと違う様子をみせます。そのため飼い主は愛犬が生理になったら、いつものお世話だけでなく、愛犬が少しでも快適に過ごせるようにサポートすることが大切です。

ここでは、生理中の犬に飼い主ができることを紹介します。

・生活
生理中の陰部からの出血量が多い場合、おむつなどの使用をおすすめします。布製のものに付着した血液は、なかなか取るのが難しいため、ソファやラグなどを汚してしまわないように、おむつを使用しましょう。

また、同居している犬がいるときは、いつもより注意して様子をみる必要があります。普段はとても仲が良くても、生理中になるとホルモンバランスが変わり、ケンカになる可能性があります。同居している犬がオス犬で、妊娠を望んでいない場合は、生理中の犬と部屋を分けて飼育することが大切です。

さらに、生理中のドッグランやドッグカフェなどの使用は避けたほうがいいでしょう。発情中のメスに誘発され、オス犬が興奮してトラブルになる恐れがあります。特にドッグランでは、多数の犬がリードを外してフリーの状態になるため、未去勢のオス犬と交尾して妊娠する可能性があります。多くの犬がいる場所へのお出かけは、生理中は避けることをおすすめします。


・食事
生理中の犬は食欲が落ちることがあります。生理期間が終わると食欲が戻るようであれば、無理に食べさせる必要はなく、様子見でもいいでしょう。生理期間が長く、全く食事を食べない場合は、いつも食べているドライフードをふやかしてにおいを強くすると食いつきがよくなることがあります。

また、ドライフードの上に、おやつやウェットフードなど愛犬が好きな物をトッピングするのも効果的です。ただし、愛犬が好きなものばかり与えると、癖になってしまい、普段からドライフードを食べなくなる可能性があるので注意が必要です。


・お手入れ
生理の出血量が少ない犬は自分で舐めとってしまうため、特別はお手入れは必要ありません。しかし、出血量が多い犬や長毛の犬種は、陰部が汚れやすくなるため、濡れたタオルやウェットティッシュなどで定期的に陰部周りを拭いてあげることをおすすめします。

特に犬のにおいが気になる場合、自宅でのシャンプーは可能ですが、トリミングサロンなど不特定多数の犬がいる場所へ連れていくことは避けましょう。

こんなときは、すぐに動物病院へ

生理の出血は、基本的に2週間程度でおさまります。もしも、陰部からの出血が1ヶ月以上続いているときは、早めに動物病院への受診が必要です。長期間の陰部からの出血は、「子宮蓄膿症」の疑いがあります。子宮蓄膿症になると、陰部から膿が混じった出血・発熱・多飲多尿・嘔吐・お腹の張りなどの症状がみられます。

もしも、生理中でも、子宮蓄膿症の当てはまる症状があらわれたら、獣医師に相談しましょう。

まとめ

今回は、犬の生理について解説しました。犬にも人間と同様に生理はありますが、犬と人間では生理の内容が異なります。犬の生理は発情期になると起こり、「ヒート」とも呼ばれます。7~10日ほど陰部からの出血が続くのが特徴です。

犬は生理になると、いつもよりそわそわしたり、食欲が低下したりという特徴がみられます。生理が終わると落ち着くことも多く、生理中は見守ってあげましょう。ただし、生理中に嘔吐やお腹の張り、発熱などが見られる場合は、他の病気になっている可能性があるため、早めに動物病院を受診することが大切です。

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